筋肉の部位と働きを徹底解説!部位ごとにおすすめの筋トレ方法も紹介
健康的で引き締まった身体を目指すために筋トレを始める方も多いですが、初心者の場合はどこから鍛えれば良いか分からないことも多々あります。
そのような方へ向けて本記事では、
- 身体を構成する筋肉の名前
- 部位別のおすすめトレーニング
- 自宅での筋トレに役立つ便利な道具
について解説します。
また本記事で紹介するトレーニングは、いずれも自宅で簡単に取り組めるものです。まずは負荷が軽いトレーニングから始めて、習慣化を目指しましょう。
身体を構成する筋肉の部位
本章では身体を構成する筋肉の主な部位や、詳しい構造を解説していきます。筋肉の場所と構造が分かると、身体の動きにあった正しいフォームでトレーニングできるようになります。
正しいフォームを維持できれば筋肉に最大限の負荷をかけられるため、効率良く筋トレしたい方は把握しておきましょう。
腕の筋肉
腕の筋肉は、主に以下2つの部位によって構成されます。
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
上腕二頭筋は、いわゆる「力こぶ」と呼ばれる部分で、腕を曲げた際に盛り上がる筋肉です。上腕二頭筋は、肘を曲げたり、外側に捻ったりする際に使います。
上腕三頭筋は、力こぶの反対側に位置する筋肉です。腕を真っ直ぐ伸ばした際に見えやすくなる筋肉で、肘を伸ばす際に使います。
胸の筋肉
胸の筋肉は、主に以下2つの部位によって構成されます。
- 大胸筋
- 小胸筋
大胸筋は身体の中でも大きな割合を占める筋肉で、鍛えることで胸板に厚みが増すため、見た目にも大きな変化が表れます。大胸筋は、腕を前後・横方向に動かす際に作用する筋肉です。
小胸筋は、大胸筋の裏側に位置するインナーマッスルのため、目には見えません。肩甲骨を引き上げたり、呼吸時の肋骨を引き上げたりする際に使うため、日々の生活における重要な役割を担っています。
腹の筋肉
腹の筋肉は、主に以下3つの部位によって構成されます。
- 腹直筋
- 腹斜筋
- 腹横筋
腹直筋は「シックスパック」とも呼ばれており、6つの筋肉に分かれています。鍛えることで引き締まったお腹周りが手に入るメリットがあります。なお、腹直筋は背中を前方に丸める際に使う筋肉です。
腹斜筋は脇腹(腹直筋の横)に位置する筋肉で、身体をひねったり体幹を固定したりする際に働きます。腹横筋はお腹周りを包み込むインナーマッスルで、腹式呼吸をする際の息を吐く動作に関わる筋肉です。
背中の筋肉
腹の筋肉は、主に以下3つの部位によって構成されます。
- 僧帽筋
- 広背筋
- 脊柱起立筋
僧帽筋は首の後ろあたりから背中にかかる筋肉で、両手を上げたり、肩甲骨を寄せたりする際に使います。
広背筋は背中の大部分を占める大きな筋肉で、目の前の物を引き寄せたり、物を脇に挟む動きに関わるのです。鍛えることで逆三角形のボディラインが手に入るメリットがあります。
脊柱起立筋は、腰から頭部まで走る長い筋肉で、姿勢を維持する役割を担っています。
脚の筋肉
脚の筋肉は、主に以下2つの部位によって構成されます。
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
大腿四頭筋は、太ももの前側に位置する大きな筋肉です。股関節の伸展や膝関節の屈曲など、歩行の際に働く重要な役割を担っています。
ハムストリングスは太ももの後ろ側に位置する筋肉で、大腿四頭筋と同じく股関節の伸展・膝関節の屈曲に関わる筋肉です。
健康や体型維持に役立つ筋肉の部位
健康や体型維持を目的とする場合、基礎代謝を上げることが重要です。基礎代謝とは身体が1日で勝手に消費するエネルギーのことで、基礎代謝を上げると太りにくく痩せやすい健康的な身体になります。
基礎代謝を効率良く上げるためには、大胸筋や背中、脚など、身体の中の大きな筋肉を重点的に鍛えるのが最適です。大きな筋肉はより多くのエネルギーを必要とするため、筋肉が大きくなればなるほど、基礎代謝も上がっていきます。
また、筋トレで大きな筋肉を鍛えることは、消費カロリーを大幅に増やすことに繋がります。基礎代謝が増え、トレーニングによる消費カロリーも増えるため、健康・体型維持が目的の場合は大きな筋肉を鍛えましょう。
自宅でできる胸の筋肉の鍛え方
本章では自宅で簡単にできる胸の鍛え方を紹介します。特別な道具は不要で、自重(自分の体重)のみで行えるトレーニングもあるため、ぜひ参考にしてください。
前述のとおり、大胸筋は大きな筋肉の1つであるため、健康的な身体を目指すにはぴったりの部位です。
プッシュアップ
プッシュアップは腕立て伏せと同じ動作で、大胸筋の中部を鍛える筋トレです。また、腕や腹筋などの筋肉にも効果を発揮します。動作手順は以下のとおりです。
- 手を肩幅よりやや広い距離で床に置き、腕をまっすぐ伸ばす
- 膝は床から離し、頭から足まで一直線にする
- 肘を曲げながら、胸を床に近づけるイメージでゆっくり下ろす
- 肩と肘が平行になるあたりまで体を下ろす
- 1の姿勢に戻る
- 上記を繰り返す
アッパーレイズ
アッパーレイズは、大胸筋上部を鍛える筋トレです。ダンベルを用いるとより効果的ですが、自宅にない場合は水の入ったペットボトルでも代用可能です。動作手順は以下のとおりです。
- 背筋を伸ばしてイスに座る
- 腕を下ろしたままダンベルを両手に持つ
- 手のひらを自分側に向けた状態で、肘を直角に曲げる
- 肘の角度を保ったまま、二の腕が床と平行になるまで上げる
- 元の位置までゆっくりと下げる
- 上記を繰り返す
ダンベルアダクション
ダンベルアダクションは、大胸筋下部を鍛える筋トレメニューです。アッパーレイズ同様、ダンベルを使うと効果的ですが、水の入ったペットボトルでも問題ありません。動作手順は以下のとおりです。
- 右手でダンベルを持ち、気をつけの姿勢になる
- 手のひらを体側に向け、軽く胸を張る
- 膝を少し曲げ、背中はまっすぐに保ったまま上半身を45°ほど倒す
- 肘を伸ばしたまま、右腕を左側へスライドする
- 元の位置に戻る
- 上記を繰り返す
以下の記事では、自宅でできる大胸筋の筋トレ方法を多く紹介しているため、大胸筋を重点的に鍛えたい方は参考にしてください。
»大胸筋の筋トレを自宅で行う場合のメニューを紹介!コツや鍛えるメリットも解説
自宅でできる背中の筋肉の鍛え方
本章では自宅でできる背中の鍛え方を紹介します。以下で紹介するトレーニングは道具なしで取り組める種目のため、初心者でも簡単に筋トレができます。
背中の筋肉も基礎代謝の向上に役立つため、優先的に取り組んでみましょう。
Tレイズ
Tレイズは、自重で広背筋を効率良く鍛えられる筋トレです。動作手順は以下のとおりです。
- うつ伏せの姿勢になる
- 両手をT字になるよう、真横に広げる
- 手を広げたまま、上体を反らせる
- 反らしきったら上体をゆっくり下ろす
- 上記を繰り返す
自宅で取り組める広背筋の筋トレについては以下の記事でも複数紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
»広背筋の筋トレにおすすめの自宅でできるメニューを紹介!メリットや注意点も解説
リバースエルボープッシュアップ
リバースエルボープッシュアップは、僧帽筋および広背筋の筋トレです。動作手順は以下のとおりです。
- 仰向けになり、両膝を立てる
- 両肘を曲げ、脇腹につける
- 肘で床を押しながら上体を起こしていく
- ゆっくり下ろす
- 上記を繰り返す
腹筋の動作と似ているためお腹に力が入りやすいですが、目的は背中を鍛えることです。トレーニングの最中は背中に意識を集中させ、肩甲骨を寄せながら筋トレを行いましょう。
バードドッグ
バードドッグは、脊柱起立筋が鍛えられるトレーニングです。また、お尻の筋肉にも効果があるため、複数の部位を効率良く鍛えられます。動作手順は以下のとおりです。
- 床に手をつき、四つん這いの姿勢になる
- 片腕を前に伸ばす
- 伸ばした腕と反対の足を後ろに伸ばす
- 伸ばしきったら、元の位置にゆっくり戻る
- 反対の手と足を伸ばす
- 上記を繰り返す
動作中は、背中が丸まらないよう注意しましょう。
自宅でできる脚の筋肉の鍛え方
本章では、自宅でできる脚の筋肉の鍛え方を紹介します。脚は背中や胸と同様、身体の中でも大きな筋肉があるため、基礎代謝の向上に適しています。
また消費カロリーが高い種目が多いため、体型の維持や改善を目的としている方におすすめです。
スクワット
スクワットは、太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋を鍛えるトレーニングです。動作手順は以下のとおりです。
- 足は肩幅よりもやや広く保ち、両手を前に伸ばす(胸の前で組んでも可)
- 姿勢をまっすぐに保ちつつ、身体をゆっくりと下げていく
- 両ひざが直角になるまで曲げる
- 足裏で床を押すイメージでゆっくり上がる
- 上記を繰り返す
足首が硬い方は身体を下ろしにくい傾向にあるため、かかとに板などを置いて行うとスムーズにトレーニングができます。
フロントランジ
フロントランジは、ハムストリングスと大腿四頭筋の両方を鍛えられるトレーニングです。動作手順は以下のとおりです。
- 足を腰と同じ幅に開く
- 背筋を伸ばして立ち、片足を大きく前に出す
- 前足の膝を曲げ、太腿が床と平行になるまで腰をゆっくり下ろす
- 後脚の膝を、床ギリギリまで近づけていく
- 膝を下ろしきったら、前足の太腿に力を入れながらゆっくり上がる
- 上記を繰り返す
ランジは姿勢が崩れると、膝に負担がかかりやすくなります。動作中は膝をつま先より前に出さず、また内側に入らないように意識すると、姿勢が保てます。
ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、ハムストリングスと大腿四頭筋を鍛えられる種目です。動作手順は以下のとおりです。
- 片方の足を前に出し、反対の足を台に乗せる
- 前に出した足に体重をかけ、身体をゆっくり下おろしていく
- 下ろしきったら、ゆっくり元の位置に戻る
- 上記を繰り返す
ブルガリアンスクワットも膝に負荷がかかりやすい種目のため、動作中は膝をつま先より前に出さず、内側に入らないよう注意してください。また、ブルガリアンスクワットはバーベルを使って負荷を増やすこともできます。
筋トレに慣れ、さらに負荷を増やしたくなった場合は以下の記事を参考に取り組んでみましょう。
»バーベルスクワットのやり方は?効果と正しいフォームで行うための注意点を解説
自宅でできる腕の筋肉の鍛え方
本章では自宅でできる腕の筋トレを紹介します。なお、ダンベルを用いたトレーニングとして紹介していますが、水を入れたペットボトルでも代用可能です。
腕の筋肉は上腕二頭筋・上腕三頭筋の2つに分かれているため、各部位を鍛えるトレーニング方法を解説します。
アームカール
アームカールは、上腕二頭筋を鍛える種目です。動作手順は以下のとおりです。
- 両手にダンベルを持ち、椅子に座る
- 肘を約90度に曲げ、手のひらを上に向ける
- ダンベルをゆっくり下ろしていく
- 腕が伸びきる直前で止め、元の位置(90度)に戻す
筋トレに慣れ、腕の筋肉が発達してきた場合は、軽いダンベルでは負荷が足りなくなります。そのようなときは、さらに負荷をかけられる「バーベルカール」がおすすめです。
以下記事でバーベルカールの詳細を解説しているため、参考にしてください。
»バーベルカールの重量の目安とは?適切なやり方、効果を高めるポイントも徹底解説
キックバック
キックバックは、上腕三頭筋を鍛える種目です。動作手順は以下のとおりです。
- 足を前後に開く
- 片方の手を台に置き、身体が一直線になるよう前傾姿勢を作る
- もう一方の手でダンベルを持つ
- 肘の角度が約90度になるよう、肘を引く(スタート位置)
- 肘の角度を固定し、前腕を後ろに伸ばす
- 腕が伸びきったら、ゆっくり戻す
- 上記を繰り返す
動作中は、腕が身体から離れないよう注意しましょう。脇を締めて動作することで、上腕三頭筋へ正確に負荷を与えられるため、筋肥大効果が高まります。
自宅でできる腹の筋肉の鍛え方
本章では自宅でできる腹筋の鍛え方を紹介します。腹筋を鍛えるとお腹周りをスッキリさせられるため、体型の変化が目に見えて分かります。
変化が分かる部位の筋トレはモチベーションの維持がしやすいため、初心者はぜひ取り組んでみましょう。
ベントニーシットアップ
ベントニーシットアップは、腹直筋を鍛えるトレーニングです。動作手順は以下のとおりです。
- あお向けの状態から、両膝を約90度に曲げる
- 両手は頭の後ろに当てて頭部を浮かす
- 腹筋に力を入れ、おへそを見るようにして上半身を起こす
- ゆっくり元の位置に戻る
動作中は、反動を利用して起き上がることは避けてください。腹筋に正確に負荷をかけるためにも、反動は使わずゆっくり動作しましょう。
また、起き上がる際に背中を伸ばしてしまうと腹直筋が収縮しないため、効果が減ってしまいます。背中を丸めながら動作し、効果を最大化させましょう。
ツイストクランチ
ツイストクランチは、腹斜筋の筋トレ種目です。動作手順は以下のとおりです。
- あお向けになる
- 両膝を曲げ、両手は後頭部に当てる
- 対角の肘と膝を近づけるように、上体を丸めながら身体をひねる
- ひねった姿勢で3秒ほどキープする
- 元の位置にゆっくり戻る(反対も同様に)
- 上記を繰り返す
ツイストクランチは、上体が完全に起き上がってしまうと筋肉への負荷が減るため、注意してください。
自宅での筋トレに役立つ道具
本章では自宅での筋トレに役立つ道具を紹介します。自重のみでも十分なトレーニングが可能ですが、道具を用いることでさらなる効果が期待できます。
またトレーニングの幅も広がるため、マンネリ化防止に有効です。
道具その1:ダンベル
ダンベルは、様々な部位の筋トレに使える道具です。
ペットボトルでも代用はできるものの、トレーニングを重ねて筋肉が発達した場合、負荷が足りなくなってしまいます。ペアで1セット持っておくことで簡単に負荷を増やせて、かつトレーニングの種類も増やせるため一石二鳥です。
5kgや10kgなど重さごとに分かれたダンベルや、重さを自由に変えられるアジャスタブルダンベルがあるため、トレーニングの頻度や目的によって使い分けましょう。
道具その2:フラットベンチ
フラットベンチは、自重やダンベルを使ったトレーニングの幅を広げられることが大きなメリットです。
ダンベルと一緒に使うことで筋肉にストレッチを与えられるようになるため、ダンベルフライやダンベルプレスなどの種目ができます。
ダンベルフライやダンベルプレスは、床に仰向けに寝る体勢でも取り組めますが、肘が床までしか下がらないため、大胸筋にストレッチがかかりにくいです。ベンチを利用することでさらなるストレッチをかけられるため、筋トレの効果が高まります。
また、クッション性にも優れているため、身体への負担がかかることを防ぎながら筋トレができます。今後長く筋トレを続ける予定がある方は、フラットベンチの導入がおすすめです。
道具その3:フロアリング
フロアリングは、床に傷がつくことを防いだり、騒音を防いだりする役割を持ちます。
とくに自宅でトレーニングする場合、「傷を傷つけたくない」「大きな音を出したくない」と思う方は多いでしょう。フロアリングを床に敷くだけで傷や騒音の対策になり、また滑り止めにもなるため怪我の防止につながります。
賃貸で傷をつけられない、家族や近隣の方に対する騒音が気になるなどの悩みを抱えているかたは、フロアリングを使ってみましょう。
筋肉の部位と働きを理解して筋トレに活かそう
筋肉の部位への理解を深めることで、動作のコツを押さえた筋トレが可能になります。
初心者の場合は正しい動作を覚えることが重要です。筋肉の部位を理解し、本記事で紹介したような自宅でできる簡単なエクササイズから始めることをおすすめします。
ウチノジムでは自宅での筋トレに役立つ便利な道具が豊富です。これから自宅で筋トレを始める方は、道具を使って効率の良いトレーニングを行いましょう。