パワーラック比較ガイド - ホームジム&商用ラック選定ポイント

パワーラックの比較ガイド

パワーラック比較ガイドとして、おすすめのホームジム&商用ラックの選定ポイントを解説いたします。

ジムを作る上で欠かせないのがパワーラックですが、市場では数え切れないほどの種類のパワーラックが販売されています。製品仕様にある項目もメーカごとにばらばらで、何を基準に判断したら良いか分からず、価格で決めて大失敗したというケースも多数耳にします。

よく吟味して自身に最適のパワーラックを選べるよう、パワーラック比較の選定ポイントをまとめましたので、導入を検討されている方はぜひ本記事をご参考ください。

パワーラック比較1 「パワーラックの種類」

一口にパワーラックと言っても様々なタイプがあり、物によって用途が異なります。それぞれの用途にあったラックを選択できるよう、まずはパワーラックの種類と特徴を見ていきましょう。

パワーラック

4本足パワーラック

4本足のパワーラック

最もベーシックなパワーラックは、4本足の支柱、セーフティ、チンニングバー(懸垂用のバー)、Jカップ(バーベルを置くフック)で構成されます。このタイプは後述する6本足タイプと比べて奥行きが短いため、比較的狭いスペースでも設置できるのがメリットです。

一方でこのタイプはプレートホーン(ストレージ)をつけることができないため、別途プレートを収納するストレージを用意するか、あるいはプレートを床置きすることになります。

※厳密にはプレートホーンはつけられますが、ラック内でのトレーニング時に干渉します。

6本足パワーラック

6本足のパワーラック

こちらが6本足構成のパワーラックで安定性がさらに向上します。また、後方にはプレートストレージが搭載されるため、別途プレートツリーなどを用意する必要がなく、省スペースの観点でもメリットがあります。

パワーラックは支柱の中でエクササイズができるため、万が一、バーベルを落としてしまってもバーベルがラックから落ちることがありません。スクワットやベンチプレスといった種目で高重量を扱う際には「安全性の確保」が最も重要なポイントとなりますので、フリーウェイトでBIG3の種目を頻繁にこなす場合はパワーラックが最も適したラックと言えるでしょう。 

ハーフラック

ハーフラック

ハーフラックは4本の支柱とフロントフット(前方に出ているフレーム)を基本構造として、セーフティ、チンニングバー、Jカップで構成されるラックです。パワーラックと異なりラックの外側(2本の支柱の前)でトレーニングを行うため、後方の支柱にプレートホーンを取り付けることができます。

ハーフラックは省スペースでありながら、BIG3やクリーンといったあらゆるエクササイズが可能で、かつパワーラックよりも低コストで導入できることから、パーソナルジムやホームジムでは人気のスタイルになります。上の画像のような業務用のハーフラックは高重量でも扱えるよう設計されているので、耐荷重の観点でも多くのトレーニーのニーズを満たすことができるでしょう。

懸念点としてはパワーラックのように支柱で囲まれていないため、スクワット時に後方に倒れてしまうと事故につながります。また懸垂時の安定性もパワーラックには劣ります。

スクワットスタンド(スクワットラック)

スクワットスタンド(スクワットラック)は2本の支柱とベースフレーム、セーフティ、Jカップで構成されるラックです。スクワットスタンドという名前でありながら、ベンチプレスや懸垂(チンニングバーが必要)といったあらゆる種目を行うことができます。

非常にコンパクトなサイズですので、狭い部屋、天井の低い部屋では重宝します。また組み立ても簡単で、一人で組み上げることができます。価格もリーズナブルであるため、ホームジムでの導入が多い製品です。

パワーラックやハーフラックと比較すると簡易的な構造で軽量であるため、高重量を扱うトレーニングを行う際は注意が必要です。また通常はプレートストレージがつけられないため、別途ストレージを用意する必要があります。

マルチファンクショナルラック

マルチファンクショナルラックは通常のパワーラックにケーブルシステムを統合したラックで、上の画像のようにラットプル&ローロウやケーブルエクササイズなどあらゆる種目をパワーラック1台で行うことができます。

このタイプのラックが最も効果を発揮するのがマンツーマンでのパーソナルジムです。マンションの一室のような狭いスペースであっても、マルチファンクショナルラックがあれば顧客の要望に合わせて様々なエクササイズを行うことができます。

裏を返すと複数ある機能を一人で占有してしまうため、スペースの広い大型ジムなどではコストパフォーマンスが悪くあまり採用されません。

コンボラック

 コンボラック

コンボラックはスクワットラックとベンチプレス台が一体となったラックです。通常パワーラックとは別カテゴリーとして扱われ、主にパワーリフティング競技者に利用されるラックとなります。

パワーリフティングジムやパワーリフティング競技者のホームジムにはマストとなりますが、パワーラックと異なりアタッチメントなどはありませんので、1台で多種目のトレーニングを行いたい方には不向きです。

スミスマシン

スミスマシン

スミスマシンは、軌道が決められたレールに沿ってバーベルを上下させるトレーニングマシンです。こちらも一般的にはパワーラックの分類からは外れますが、実際にジムでは初心者向けにフリーウェイト種目を安全に行えるラックとして利用されます。

ジムに一台しかパワーラックを入れられないという場合は選択肢から外れますが、スミスマシンが一体となったパワーラックも存在し、それらはマルチファンクショナルラック同様にホームジムやパーソナルジムでは重宝します。

パワーラック比較2「寸法」

パワーラックの比較ポイントその2 は「寸法」です。どれだけ品質が高く、機能性の高いパワーラックであっても、利用スペースにおいて適切なサイズのラックでなければその良さが消えてしまいます。パワーラックの選定前に必ず利用スペースの寸法を測りましょう。

特に注意しなければならないのが「高さ」です。大型施設などではあまり気にする必要はありませんが、パーソナルジムやホームジムでは高さによる制約があります。

パワーラックの寸法

マンションやアパートですと天井の高さは240cm-250cmの部屋が多いですが、欧米人向けのパワーラックは240cm前後の物が多く、ギリギリ入るか、あるいは入ったとしてもプルアップ動作においては十分な可動域をとることができません。

これが理由で国内のホームジムでは210cm前後のパワーラックが主流となっています。プルアップでも十分の可動域をとるのであれば、ラックの高さ+30-40cmほどあると安心です。

「幅」については、バーベルの長さ(通常220cm)+100cm(各サイド50cm)ほど余裕があるのが望ましいです。特に商用ジムで利用する場合はプレートの付け替え時に、隣の利用者と接触する危険性があるので、最低でも300cm-320cmほど見積もっておきましょう。ラック自体は120cm-130cm程度の幅のものが多いので、短いバーベルを使用すればより狭いスペースでも余裕を持ってトレーニングできます。

「奥行き」については、ハーフラックやスクワットスタンドの場合はラックの外でトレーニングを行いますので、ベンチの奥行きも考慮してラックの奥行き+100cmほどあると安心です。パワーラックの場合は基本的にケージの中でのトレーニングとなりますが、プルアップやその他アタッチメントを使ったトレーニングを行う場合はその分の奥行きを予め見積もっておきましょう。

パワーラック比較3「耐荷重」

パワーラックの比較ポイントその3 は「耐荷重」です。まずはこちらの動画をご覧ください。

高重量のバーベルをスクワットラックにドロップした結果、ラックが転倒しています。一歩間違えれば命に関わる大事故です。

フリーウェイトのトレーニングは常に危険と隣り合わせであるため、やはりラックの選定には安全性が最重要項目であり、そこにこの耐荷重が関わってきます。

耐荷重は文字通り「その物体がどれほどの重みに耐えられるか」を表していて、例えば耐荷重100kgのセーフティバーというのは、100kgのバーベルを載せておいても耐えられる(破断しない)ということを意味します。

ただし上の動画の通り、実際のトレーニングおいてはバーベルの静止時ではなく、落下時の衝撃にどれだけ耐えられるかが重要となります。各メーカーの製品仕様にて耐荷重の記載がある場合、特に注意書きなどなければ、それは静止時に耐えられる重量を表していることがほとんどですので注意してください。

例えばフィットネスマシン最大手のLife Fitness社が販売しているHammer Strengthのハーフラックの製品仕様を見てみましょう。
ハーフラックの製品仕様
製品仕様にはMax User WeightとMax Training Weightの項目があり、つまり最大159kgの体重の人間が利用でき、トレーニングで使える重量は306kgが最大となります。このように実際に使用に基づいたデータがあるということは、製造時に十分なテストがされていることの証明でもあります。

こちらの動画はEleikoのハーフラックでのドロップテストの様子ですが、305kgのバーベルでも十分耐えうるラックであることがわかります。一方で、こういった具体的な数値は表記せずにFor commercial use(業務用)といった形で省略するメーカーも多数存在します。

誤解をしてはいけないのは耐荷重の数値が高い=頑丈なパワーラックではないということです。

耐荷重の数値はあくまで各メーカーがテストをした範囲の数値ですので、例えば耐荷重1000kgなどの通常利用の想定を超える数値を出したところで、そのラックがより頑丈かというとそんなことはありません。例えば耐荷重を300kgと記載しているメーカーでも、安全面等の観点から300kg以上のテストをしていないだけで、実際には1000kgまで耐えられるということもあり得ます。特に日本では耐荷重の数値をセールスポイントの一つとして利用している業者もいますのでくれぐれもご注意ください。

本記事に掲載しているような有名メーカーでは、各社あるいは各国の団体が定める厳しい安全基準を元にテストされているため、基本的には耐荷重に関する心配は無用です。世界のトップメーカーのROGUE Fitnessは耐荷重の表記すらしていません。

ただ、オリンピックセンターなどの高強度でのトレーニングが行われる施設に導入する際は、各メーカーに推奨のパワーラックをお問い合わせいただいた方が安心です。

またノーブランド製品、低価格帯の製品については実際にテストされていないにも関わらず「業務用」という言葉を使っているケースがあるため注意が必要です。検討される際には製品仕様をよくお読みいただき、不明な点があればメーカーに問い合わせることをおすすめします。

パワーラック比較4「支柱のサイズと厚み」

パワーラックの比較ポイントその4 は「支柱のサイズと厚み」です。今回はREP Fitness(レップフィットネス)のパワーラックの製品仕様を見てみましょう。

レップフィットネスパワーラックの製品仕様

製品仕様には「3x3" 11-gauge Steel」とあります。3x3というのは3インチ x 3インチの意味で、この場合は約7.6cm四方の支柱ということになります。Gauge(ゲージ)というのは支柱の厚みを表していて、11ゲージは2.3mmとなります。ゲージは数字が小さくなるほど厚くなり、例えば以下のアーセナルストレングスのパワーラックですと7ゲージ(3.66mm)とかなり分厚くなります。

アーセナルパワーラック

注意したいのはフレームが厚ければ厚いほど良いということでもないということです。フレームが厚ければその分重くなりますので搬入・設置が大変になりますし、もちろん高価になります。

一般的なホームジム・商業ジムであれば3x3" 11ゲージのラックを選んでおけば間違いありません。低重量しか扱わない場合は2x2" 14ゲージといった少し細めの支柱のラックでも問題ないでしょう。

「高重量は扱わないから家庭用パワーラックでいいよ」という方も、商品を選ぶ際はこの支柱のサイズと厚みを確認するようにしましょう。特にノーブランド、低価格帯の商品は製品仕様に明記しないケースが多いので必ず確認するようにしましょう。

パワーラック比較5「セーフティシステム」

パワーラックの比較ポイントその5は「セーフティシステム」です。トレーニングにおいて自身の限界まで挑戦するには、このセーフティシステムによる安全性の確保が必須となります。いくつか種類がありますので、それぞれの特徴をご紹介します。

セーフティスポッターアーム

セーフティスポッターアーム

セーフティスポッターアームは最も一般的なセーフティシステムで、ベンチプレスでもスクワットでも安心して利用することが可能です。

スクワットラックやハーフラックでは1本の支柱に左のようなスポッターアームを固定し、パワーラックの場合は2本の支柱に右のようなフリップダウンセーフティを固定します。

高さ調節は通常スポッターアームを外して付け替えますが、メーカーによってはスライド式の製品もあります。

支柱の上面には樹脂カバーが付いていることが多く、これにより万が一バーベルを落としてしまってもシャフトの損傷を軽減することができます。

懸念点としては価格が他のセーフティシステムよりも若干高くなるくらいですので、万全の設備でトレーニングを行うのであればこちらのタイプをおすすめします。

セーフティスポッターストラップ

セーフティストラップ

セーフティスポッターストラップはその名の通りストラップ式のセーフティシステムです。下の動画の通り潰れてしまった場合でもストラップがバーベルをキャッチしてくれます。

最大の利点は、やはりバーベル損傷を防げる点になります。ストラップが衝撃を吸収してくれるため、スポッターアームと比較してもバーベルへのダメージが軽減されます。

またこのタイプは高さ調節も簡単に行えるので、その点はスポッターアームと比較して優れている点になります。ドロップしなければ音はほとんどしませんので、静音性の観点でもメリットがあります。

デメリットはベンチプレス時の使用感に難があることです。ベンチプレスでは潰れた際に、胸、首元、顔を守る必要があるため、ストラップの上半身側は高めに設定する必要があります。そうするとバーベルを下ろす際にシャフトが胸までつかず、可動域が狭くなります。

スクワットメインでパワーラックを使用される場合には、こちらのストラップがおすすめとなりますが、ベンチプレスも含めて1つのパワーラックで行う場合はスポッターアームを選ぶ方が無難でしょう。

貫通式セーフティバー

ピンパイプセーフティ

貫通式セーフティバーは筒型のセーフティにピンを通す形のセーフティです。英語ではPin Pipe Safety(ピンパイプセーフティ)などと呼ばれます。スポッターアームと同様にスクワット、ベンチプレスのいずれにおいても安心して利用が可能です。

一方で高さ調整においては難があります。長いピンを都度抜いて、正しい高さの穴に差し込む作業が発生するため、上の2つと比べると非常に不便です。

複数人で利用する環境ではもちろんのこと、ホームジム利用であってもスクワット、ベンチプレスと複数種目を行う場合は、高さ調整のたびにストレスを感じることになります。

またスポッターアームと異なり樹脂カバー等はないため、バーベルが直で金属と接触することになります。

貫通式セーフティバーはパワーラックの付属品の場合もありますので、一度試してみて、合わなければスポッターアーム等にアップグレードすることをおすすめします。 

パワーラック比較6「Jカップ」

パワーラックの比較ポイントその6は「Jカップ」です。Jカップとは名前の通りJの形をしたアタッチメントで、スクワットやベンチプレスなどのエクササイズの際にバーベルを置くために使われます。簡単にパワーラックから取り外しができるので、高さ調節も容易に行えます。

Jカップにも様々なタイプがありますので、それぞれご紹介します。

フラットサンドウィッチJカップ

フラットサンドウィッチJカップ

フラットサンドウィッチJカップは最も一般的なJカップです。カップの上にプラスチックライナーがつけられているため、バーベルが傷つくのを防ぐことができます。またこのタイプは爪の部分が低めに設計されているため、バーベルのラック時やアンラック時に引っかかる危険性もありません。コスト面でもこちらのタイプを選んでおけば間違いありません。

ラウンドサンドウィッチJカップ

ラウンドサンドウィッチJカップ

ラウンドサンドウィッチJカップは上のフラットサンドウィッチJカップとほとんど変わりませんが、バーベルを置くフックの部分が丸くなっているため、バーベルが前後に動く心配がありません。予算に余裕があればこちらのタイプも検討しましょう。

スタンダードJカップ

スタンダードJカップ

こちらは最もコストを抑えたシンプルな構造のJカップです。このタイプはメーカーによって爪の部分が高く、ラック時やアンラック時に引っかかりやすいものもあるので注意が必要です。一方で耐荷重は上記のサンドウィッチJカップと変わらないので、コスト重視であればこちらを選ぶのも良いでしょう。

ローラーJカップ

こちらはアメリカのGhost Strongというメーカーが開発したローラーJカップというもので、カップ部分にローラーが搭載されているため、バーベルのポジション調整が簡単になります。またバーベルの保護にも役立ちます。

パワーラック比較7「その他アタッチメントによる拡張性」

パワーラックの比較ポイントその7は「アタッチメントによる拡張性」です。パワーラックには各メーカーごとに様々なアタッチメントが用意されています。

ラックアタッチメント

ホームジムのように利用者が一人の場合は、アタッチメントをつけることで1台のパワーラックで複数の種目を行うことができるため、ラックを選ぶ際はこのアタッチメントの豊富さもポイントとなります。

上の様なアタッチメントは一般的ですが、現在の市場ではケーブルプーリーシステムもラックアタッチメントとして提供しているメーカーもあります。

ケーブルプーリーシステム

一方で商業ジムなどでは基本的にパワーラックの用途はBIG3となりますので、ディップスやランドマインなどの種目はパワーラックと切り分けてできた方が利便性は高まるでしょう。

プレートホーンやバーベルホルダーといったストレージについても、デフォルトで付属しているのか、オプションで付属できるのかなど確認が必要です。無い場合は別途プレートツリーやバーベルラックを用意することも検討しましょう。

パワーラック比較8「ホールのサイズと間隔」

パワーラックの比較ポイントその8は「ホールのサイズとナンバリング」です。パワーラックの支柱にはアタッチメントを装着するためのホールが開けられています。

 レーザーカットナンバリング

ホールのサイズはメーカーによって、またメーカーの中でもシリーズによって様々ですが、現在主流となっているパワーラックのホールサイズは1インチもしくは5/8インチです。特にREP Fitness、ROGUE Fitnessのフラグシップモデルとなるパワーラックのホールサイズが1インチのため、このサイズのパワーラックを選んでおけば多くのアタッチメントとの互換性があります。

ホールの間隔(ホールの中央から中央まで)は2インチ(約50mm)のものが多く、ユーザーは自身に合った高さでJカップやセーフティバーの高さを調節できます。

一方でこちらのように部分的にホールの間隔を狭くしているメーカーもあります。

ウェストサイドホール

これはWestside hole spacingと呼ばれ、Westside Barbellというジムのコーチによって生み出された機構です。ホールの間隔が通常と異なり1インチと狭くなっているため、Jカップやセーフティバーの高さをより細かく設定することが可能です。

ほとんどの方にとっては2インチ間隔のパワーラックを選んでおけば不便を感じることはないですが、それ以上にホールの間隔が広い場合は自分に合った高さでトレーニングができない可能性もでてくるので注意が必要です。

また、近年多くのメーカーにおいてラックの支柱にはナンバリングがされています。ナンバリングがあることにより、Jカップやセーフティバーの高さ調整が非常に簡単になりますので、ナンバリングの有無も確認しましょう。

パワーラック比較9「組み立ての有無」

パワーラックの比較ポイントその9は「組み立ての有無」です。基本的にパワーラックは解体された状態でパーツで納品されるケースがほとんどですが、業務用の中でも特に大型のパワーラックについては組み上がった状態で納品される場合があります。

組み立て済みのパワーラック

前者は組み立てが不要であるため、納品後にすぐに使用することができますが、組み上がっている状態のパワーラックは宅配便では送れないため、トラックをチャーターすることになります。そのため遠方の場合は配送料が高くなります。また搬入も複数人を要し、特に2F以上でエレベーターがない場合は一部解体作業が発生します。

後者は組み立てが必要なため、納品後は組み立ての作業が入ります。物によりますが、2人がかりで1-2時間はかかるためそれなりに大変です。一方でパーツに分かれての配送となるため送料は安くなり、搬入も簡単です。

ホームジムやパーソナルジムの様な比較的狭いスペースに導入する場合は、後者のパーツ納品のラックをおすすめします。

パワーラック比較10「デザインのカスタマイズ性」

パワーラックの比較ポイントその10は「デザインのカスタマイズ性」です。パワーラックを含むトレーニング器具の設計においては、機能性が追求されるのは今や当たり前となっており、近年はデザインのカスタマイズ性で差別化を図るメーカーが増えてきています。

例えばREP Fitness(レップフィットネス)では6種類のカラーバリエーションがあります。

パワーラックのデザインカスタマイズ

下の画像はブリッジビルトのJカップですが、米国製の商品ではこういったデザイン性の高いアタッチメントも増えてきています。

 

他とは一風変わったジムを作りたいという方は、こういったカスタムデザインのできるメーカーを選ぶのもの一つの手でしょう。

一方でカスタムデザインは受注生産となる場合があり、その場合は納品まで時間がかかります。開業までのスケジュールも見ながら、必要な場合はメーカーに早めに相談しましょう。

パワーラック比較11「保証と返品ポリシー」

パワーラックの比較ポイントその11は「保証と返品ポリシー」です。パワーラックに限りませんが、トレーニング器具においても保証内容や返品・返金・交換に関するポリシーが各メーカーごとに定められています。

製品保証

業務用のパワーラックについて、フレームの欠陥は生涯保証(Lifetime Warranty)となっていることが多いです。フレームの塗装・コーティングに関する欠陥は90日など期間が決められていることが多いので確認しましょう。

ボルト、ナット、ワッシャーといったパーツについても、一定期間において無償で交換対応してもらえるケースが多いです。ただし交換作業においてメンテナンス員を派遣してもらう場合は、オペレーション費用が別途かかるケースがあります。特に大型ジムなどで複数マシン、ラックを導入する場合は必ず発注前にメーカーに確認しましょう(逆にいうとオペレーション費用が無料である場合はその料金は商品代金に上乗せされています)。

家庭用のパワーラックについては安価で購入できる分、保証対象や保証期間が非常に限定的です。

繰り返しになりますが、パワーラックにおける事故は大怪我につながる可能性があるため、ホームジムであっても家庭用ラックはおすすめしません。特に長期的な利用を考えている場合は、多少コストがかさんでも有名メーカーの業務用ラックから選ぶことをおすすめします。

おすすめのパワーラック

最後に、ここまでご紹介したパワーラックの中からおすすめの製品を以下にまとめました。詳細については各サイトの商品ページをご確認ください。

REP Fitness - PR-5000 パワーラック(支柱6本)
REP Fitness - PR-5000 ハーフラック
REP Fitness - Ares™ パワーラック(支柱6本)
REP Fitness - PR-1000 パワーラック(支柱4本)

レップフィットネスが提供する米国ホームジムで大人気のパワーラックです。業務用規格でありながらリーズナブルな価格でアタッチメントも豊富。世界のフリーウェイト器具市場を牽引する開発力の高いメーカーですので、今後の新商品も期待ができます。

ROGUE Fitness - RM-6 MONSTER RACK 2.0

ローグフィットネスが提供する業務用のパワーラック。アタッチメントが非常に豊富で、カラーやサイズのカスタマイズも可能。レップフィットネスと並んで人気のパワーラックです。

Bridge BUILT - Phoenix Squat Rack

ブリッジビルトが提供する米国ホームジムで人気の折り畳み式スクワットラック。製造がアメリカのみで国内に販売店がないため、輸送費用が高くなってしまうのがネックです。

終わりに

今回パワーラックの比較方法についてご紹介しました。これからジムを開業されるという方は本記事のポイントを踏まえながら、ご自身にあったパワーラックをお選びいただければと思います。

また、トレーニングマシンの選定にお困りの方はこちらの記事もおすすめです。

トレーニングマシンの種類と使い方

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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