トレーニングマシンの種類一覧と使い方
本記事では、トレーニングマシンの種類一覧と使い方について解説させていただきます。ジムの開業を検討されている方は、トレーニングマシン選定の際にぜひご活用ください。
トレーニングマシンの機構と特徴
ウェイトスタックマシン or プレートロードマシン
トレーニングマシンはウェイトを変更する機構の違いからウェイトスタックマシン、プレートロードマシンの2種類に分類されます。
ウェイトスタックマシンは、ピンやダイアルなどでウェイトを調整する機構のトレーニングマシンであり、セレクトライズドマシンとも呼ばれます。
ウェイトスタックではプーリー(滑車)やケーブルを利用して負荷の大きさ、方向をコントロールしています。手軽に重量を変更できるためトレーニング初心者には非常に扱いやすい一方で、使用できる重量が決まっているため、上級者には重量が物足りないというケースが発生します。
オーナー目線としては、ケーブルやベルトなどの経年で交換する必要のある消耗品があるので、パーツの保証期間などは購入前に把握しておくことが必要です。またウェイトスタックはウェイト部分にシリコンスプレーを注すことや、埃を取り除くことなどの日々のメンテナンスが必要になります。
プレートロードマシンは、プレートをマシンに装着することで重量を調整します。プレートロードはレバーを介して対象筋に負荷がかかるよう軌道が固定されているため、トレーニング初心者でも簡単に狙った部位に効かせることができます。またマシンによってはセーフティシステムが搭載されているため、高重量のトレーニングでも安全に行うことが可能です。
一方、重量を調整する際に都度プレートを持ち上げる必要があるため、女性や力の弱い初心者には好まれません。
オーナー目線としては、各マシンごとにプレートを準備する必要があるので、複数台の導入となった場合にはコストがかさみます。一方、セレクトライズドと比較して導入後のメンテナンスなどの手間が少ないのはプレートロードの利点になります。
ケーブルモーション
ケーブルタイプのトレーニングマシンはハンドルやパッドが付いたアームを動作させるものが大半ですが、上のようなケーブルの先にハンドルがついたケーブルモーションと呼ばれるタイプのトレーニングマシンもあります。
ケーブルタイプのメリットとしては、アタッチメントの交換や、動作の軌道を自身でコントロールできるため、1つの機材でありながら複数の使用方法で筋肉に負荷をかけることができます。
その一方で、動作の軌道を使用者自身でコントロールする必要があることから、初心者には扱いにくいことがデメリットとなります。 また稀にアタッチメントの交換ができないタイプも存在するため、購入の際は注意が必要です。
トレーニングマシンの種類一覧と使い方(上半身)
ここからは上半身を対象としたトレーニングマシンの種類一覧と使い方について解説していきます。
トレーニングマシンの種類1「チェストプレス」
チェストプレスは大胸筋を主動筋(メインとして使われる筋肉)とし、三角筋前部、上腕三頭筋を協働筋(主働筋を補佐する筋肉)とするトレーニングマシンです。
体幹に対して垂直方向に動作を行うバーティカルチェストプレス(もしくは単にチェストプレスとも呼びます)に加えて、軌道が上方向となるインクラインチェストプレス、軌道が下方向となるデクラインチェストプレスが主なバリエーションになります。
大胸筋は大きく分類すると上部、中部、下部と分けられ、上部の刺激を増やしたいのであればインクラインを、下部の刺激を増やしたいのであればデクラインのバリエーションのチェストプレスを選択すると効率的にトレーニングを行うことができます。
チェストプレスは多関節種目(複数の関節が動作する種目)であるため、いずれのバリエーションにおいても重要なことは、主動筋と協働筋を自然に連動させ、より重い重量を使用できる効率のよいフォームをとることです。
重い重量を使用する上で、なによりも避けたいのは棘上筋などの肩関節のインナーと呼ばれる筋群に負荷がかかることであり、それは多くのジムユーザーを悩ます肩の怪我の原因となる危険性があります。
肩関節に負荷がかかる要因はいくつかありますが、基本姿勢として胸を張り、肩甲骨を下方回旋させ、動作中にそれを維持することで、肩が前に出ない自然なフォームとなり、肩関節に大きな負荷がかかるのを防ぐことができます。
またスタートポジションにおいて、肩口が伸びている感覚があるとそのまま負荷が肩に乗る可能性が高いため、シートの高さ、グリップ幅を調整し、大胸筋が伸びている感覚を感じつつも肩口に負担を感じないポジションを設定してから動作を開始するようにしましょう。
トレーニングマシンの種類2「ペックフライ」
ペックフライは大胸筋を主動筋とするトレーニングマシンです。 チェストプレスが体の正面方向にウェイトを押す軌道になるのに対して、ペックフライは体の外から内に絞る軌道となるため、収縮時までしっかり大胸筋に負荷がかかる構造となっています。
チェストプレスと同じくインクラインやデクラインなどの軌道の方向違いのバリエーションに加えて、ハンドルを掴むタイプ(以下ハンドルタイプ)とパッドに肘を当てて動作させるタイプ(以下パッドタイプ)があります。現在はハンドルタイプが主流であり、後述するリアデルトと一体化したマシンであることが多いです。
ペックフライは比較的軽めの重量で高回数を行い、対象部位をパンプさせるのに向いたトレーニングマシンになります。 ハンドルタイプはハンドルが前後に可動するため自身で軌道を調整することが可能です。ハンドルタイプにおける動作時のポイントは、スタートポジションについてはやや肘を曲げた状態で大胸筋を伸展させ、フィニッシュポジションでは少し肘を伸ばして胸の収縮を感じるようにすると、胸に良い刺激が入ります。チェストプレスと同様に開始位置で肩口に負担を感じないポジションを選びましょう。
上の動画のようにフットレバーでスタートポジションを調整できるマシンもあります。 パッドタイプは軌道の調整ができないため、ハンドルタイプに比べて可動域を広くとることはできません。その代わりに技術的な要素がなくても軌道通りに扱うことで収縮感を得ることができるため、初心者には扱いやすい印象です。
トレーニングマシンの種類3「リアデルト」
リアデルトは三角筋後部を主動筋とするトレーニングマシンです。 先述したペックフライのハンドルタイプとセットとなっているものが大半を占めており、単体のものは少ないです。またわずかですが、パッドのタイプも存在します。
リアデルトで上手く三角筋後部に刺激を入れるには、背中の筋肉に負荷を分散させないことが重要であり、その為に必要なポイントは二つあります。
一つ目のポイントは重量を軽めに設定することです。三角筋後部は弱い筋肉になるため、重い重量になると近接する僧帽筋が動作を代償してしまい、三角筋後部に負荷が乗らなくなります。体感的にも軽いと感じられる重量を設定するようにしましょう。
二つ目のポイントは軌道になります。前から後ろに向けて引くような軌道になると背中の筋肉が主動筋となり、三角筋後部に負荷が上手く乗りません。スタートポジションからフィニッシュポジションに向けて、肩関節を軸に弧を描くように軌道を取り、フィニッシュポジションでは三角筋後部の収縮感を得るようにしましょう。
また僧帽筋を関与させないために「肩甲骨が閉じないように動作を行うようにする」というアドバイスを見かけることがありますが、肩甲骨が開いたままだと、三角筋後部が上手く収縮しません。肩甲骨の動きよりも、三角筋後部がしっかり収縮できているかに着目するようにしましょう。
トレーニングマシンの種類4「ラテラルレイズ」
ラテラルレイズは三角筋側部を主動筋とするトレーニングマシンです。 ラテラルレイズについてもハンドルタイプのものと、パッドタイプのものがあり、最近はハンドルタイプのものが増えてきています。
ラテラルレイズで上手く三角筋側部に負荷を乗せるには、僧帽筋に負荷を分散させないことが重要になります。 そのためにはリアデルトと同様に、軽めの重量設定で肩関節を軸にした弧を描く軌道をとることが、三角筋に上手く負荷を乗せるポイントとなります。
またこちらのPanattaのスタンディングマルチフライトのように、アーム部分の高さ調節や回転ができるタイプもあります。
通常のラテラルレイズの使用方法では三角筋側部に負荷が乗りますが、体の側面をトレーニングマシンに向けて正面方向に腕を動作することで、三角筋前部に負荷を乗せることも可能です。
またアームの高さを下げて前傾することで三角筋後部に負荷を乗せることもできます。
トレーニングマシンの種類5「ショルダープレス」
ショルダープレスは三角筋前部、三角筋側部を主動筋とし、上腕三頭筋を協働筋とするトレーニングマシンです。
ショルダープレスは多関節種目であるため、高重量を扱うのに向いているトレーニングマシンとなります。オーナー様はセレクトライズドとプレートロードのどちらを導入すべきか、顧客層も見ながら適切な判断をする必要があります。
よくある間違いの一つが骨盤を前傾させ、胸を張って動作を行うことです。その姿勢を取ることで、より重い重量は扱えますが、インクラインのチェストプレスに近い軌道となり、胸の上部に負荷が逃げます。
三頭筋に上手く負荷を乗せるためには、骨盤をニュートラルに保ち、体幹に対して真上にウェイトを挙げるようにしましょう。
また可動域を広くとりすぎると、肩関節への負担が強くなるため、耳の高さ程度のハンドルの位置をスタートポジションとし、肘が伸び切る手前をフィニッシュポジションの目安にしてください。
そのほか、肩甲骨が上下すると僧帽筋に負荷が逃げるため、肩甲骨の下制を維持する意識をして動作を行いましょう。
トレーニングマシンの種類6「ラットプル」
ラットプルは大円筋、広背筋を主動筋とし、上腕二頭筋、僧帽筋下部を協働筋とするトレーニングマシンです。 ラットプルにはケーブルタイプが存在し、それはパーソナルジムのような小規模ジムなどの機材の限られた施設においても採用率の高い人気のトレーニングマシンになります。
ケーブルタイプにおいては、ラットプルダウンバーを肩幅の1.5倍程度の広さで握り、鎖骨に向かってバーを引き付ける動作を行うフロントラットプルダウンが最もポピュラーな使用方法になります。
ケーブルタイプではないラットプルには、アームの軸が自身の後方にあるものがあり、広背筋に負荷をかけやすいという特徴があります。
ラットプルは多関節種目であるため、重い重量を扱うことが可能です。ただし初心者の方は背中を使う感覚がわかりにくいため、比較的軽めの重量で感覚を掴むことを優先してください。
背中に上手く負荷を乗せるポイントは、まずスタートポジションにおいて胸を張って、肩を落としてください。肩が上がった状態で動作を行うと、背中が使いにくく腕に効くフォームとなります。
そして動作時には、肩甲骨を内に向かって弧を描く軌道で下げる意識をすると、背中の筋肉の動きがわかりやすいです。フィニッシュポジションからスタートポジションに戻る際も肩が上がらないように注意しましょう。
また重量設定については、フィニッシュポジションで動作を止めることができる重量を設定しましょう。もし動作を止めれないのであれば、背中ではなく体を倒す勢いで動作を行っている可能性が高いです。
もしケーブルタイプのフロントラットプルダウンで背中の感覚がわかりにくいのであれば、アタッチメントをパラレルグリップのものに交換すると、肩甲骨を可動させやすくなり、背中を意識しやすくなります。
トレーニングマシンの種類7「ロウイング」
ロウイングは僧帽筋、広背筋を主動筋とし、大円筋、二頭筋を協働筋とするトレーニングマシンです。 ロウイングにはケーブルタイプが存在し、ハンドルアタッチメントを使用したシーテッドロウイングが最もポピュラーな使用方法になります。
ケーブルタイプではないロウイングには、高い位置からハンドルを引くハイロウ、低い位置からハンドルを引くローロウ、その中間にあたるバーティカルロウ(もしくは単にロウイングとも呼びます)がバリエーションとして存在します。
比較的、ハイロウは僧帽筋の下部、ローロウは僧帽筋の上部に負荷をかけやすいという特徴があります。 いずれのバリエーションにおいても、肩甲骨を内転させ僧帽筋の収縮を感じること、肩を下げて胸を張ること、ハンドルをみぞおちに向けて引き付けることなどが、動作時のポイントになります。
またロウイングについては、片方ずつ動作を行えるものが多いです。もし両手で使用した際の負荷の感じ方がいまいちな場合は片手ずつ使用し、姿勢を変えることで、強く収縮感を感じるポジションを作ることが可能です。
トレーニングマシンの種類8「トライセップエクステンション」
トライセップスエクステンションは上腕三頭筋を主動筋とするトレーニングマシンです。 トライセップスエクステンションには、脇を閉じて前方に動作を行うタイプと、脇を開いて頭上に向けて動作を行うタイプの2つバリエーションがあります。前者は上腕三頭筋の長頭、後者は上腕三頭筋の短頭に負荷が乗りやすいです。
いずれのバリエーションにおいても高回数が可能な重量を設定し、フィニッシュポジションでの上腕三頭筋の収縮をしっかり感じるようにしてください。
その他、肩や体を使って押し込むような動作にならないよう、肘の位置を固定し、肘関節の伸展により動作を行うようにしましょう。
トレーニングマシンの種類9「バイセップカール」
バイセップカールは上腕二頭筋、上腕筋を主動筋とするトレーニングマシンです。 バイセップカールには、脇下から上腕を固定できるプリーチャーカールのタイプのものと、三頭筋の下のみを固定できるタイプのものがあります。
注意点として、プリーチャーカールタイプのものは、フリーウェイトにおけるプリーチャーカールと同様に、どこを支点にして動作を行うかによって負荷がかかる部位が変わります。
肘を支点として、肘の屈曲伸展のみで動作を行うと上腕筋の負荷が大きくなり、上腕二頭筋には負荷が乗りにくくなります。上腕二頭筋に負荷を乗せたい場合は、肘をやや浮かして三頭筋を支点にするイメージで、肩の屈曲を伴うように動作を行うようにしましょう。
いずれのバリエーションにおいても、アームの軸と肘の位置を合わせるようにシートのポジションを設定してください。またフィニッシュポジションで上腕二頭筋にしっかり収縮を感じるように動作を行うようにしましょう。
トレーニングマシンの種類一覧と使い方(下半身)
ここからは下半身を対象としたトレーニングマシンの種類一覧と使い方について解説していきます。
トレーニングマシンの種類10「スクワットマシン」
スクワットマシンは大殿筋、大腿四頭筋を主動筋とし、ハムストリングスなどの多くの下半身の筋肉を協働筋とするトレーニングマシンです。
スクワットは高い効果がある基本のトレーニングですが、フリーウェイトで行う場合は難易度がとても高くトレーニング初心者が行うには難しい場合が多いです。スクワットマシンがあると比較的簡単に、スクワットによるトレーニング効果を享受することが可能であり、脚のトレーニングマシンにおいては優先して採用すべきカテゴリーになります。
スクワットマシンはレールに沿ってウェイトを動作させるハックスクワット、軸が固定されたアームを担いで動作を行うVスクワット(別名パワースクワット)、ベルトにウェイトをぶら下げる形で動作を行うベルトスクワットが主なバリエーションです。
ハックスクワットはおしりを後ろに行くことができないため、他のスクワットに比べて膝が前に出るフォームとなり大腿四頭筋に負荷がかかりやすいという特徴があります。
Vスクワット(パワースクワット)は、軌道が円弧になるため、関節の負荷が少ない自然なフリーウェイトのスクワットに近いフォームを取りやすいという特徴があります。
ベルトスクワットについてはベルトに重量がかかるという構造上、腰部への負担が少なく、腰痛がある方に推奨されるスクワットマシンとなります。またフォームはフリーウェイトのスクワットと同じ動作で行うことが可能です。
いずれのスクワットマシンについても、しっかりしゃがみ込んでから立ち上がるのが基本のトレーニング動作になります。
深くしゃがみ込む上で、最も避けたいのが大殿筋の動作を下背部が代償することであり、それは腰痛などの怪我の原因となる可能性があります。 それを避けるためには、骨盤を後傾させないようニュートラルに保つことが重要です。
また大殿筋の柔軟性が乏しい方は、下背部による代償動作なしでは深くしゃがみ込むことができないため、動的ストレッチなどのウォーミングアップを取り入れるようにしましょう。
トレーニングマシンの種類11「レッグプレス」
レッグプレスは大腿四頭筋、ハムストリングスを主動筋とし、大殿筋を協働筋とするトレーニングマシンです。
レッグプレスは一見してスクワットと動作が似ていますが、股関節が屈曲した状態がスタートポジションとなるため、大殿筋に対する刺激がスクワットに比べて少なく、ハムストリングスへの負荷が増えます。
また上半身は固定され、動作が膝の屈曲伸展というシンプルなものになるため、スクワットマシンに比較して扱いやすいトレーニングマシンになります。
レッグプレスの主なバリエーションには水平方向に動作を行うホリゾンタルレッグプレス、45℃の角度で斜め上に向けて動作を行う45°レッグプレス(通常のレッグプレスとも呼ばれます)、垂直方向に向けて動作を行うバーティカルレッグプレスがあり、角度が大きくなるにつれてハムストリングスへの負荷が大きくなります。
レッグプレスについてもスクワットと同様に大きく動作を行うことが基本となります。その際、下背部による代償動作が起こりうるため、腰がシートから離れないように注意しましょう。
トレーニングマシンの種類12「レッグエクステンション」
レッグエクステンションは大腿四頭筋を主動筋とするトレーニングマシンです。 レッグエクステンションには後述するシーテッドレッグカールと一体になったものも存在します。
スタートポジションとして、膝関節とアームの軸の位置を合わせ、上手く体重をかけることができる位置に背もたれを設定しましょう。骨盤についてはやや前傾させ、背筋を伸ばすようにしてください。また足首は背屈(足首を起こした状態)させるようにしましょう。
比較的軽い重量を設定し、フィニッシュポジションでは膝を伸ばし切り、収縮を感じてください。内外旋、内外転のいずれも伴わないニュートラルな状態を基本としますが、やや内旋することで外側広筋、やや外旋させることで内側広筋に負荷がかかりやすくなります。
トレーニングマシンの種類13「レッグカール」
レッグカールはハムストリングスを主動筋とするトレーニングマシンです。 レッグカールは、座った状態で動作を行うシーテッドレッグカール、うつ伏せになった状態で動作を行うプローンレッグカールの2種類が主なバリエーションとなります。
シーテッドレッグカールは股関節が屈曲した姿勢の為、ハムストリングスのストレッチによる負荷がかかりやすいことがメリットとなります。レッグエクステンションと同様に膝関節とアームの軸の位置を合わせること、骨盤の前傾、足首の背屈が基本姿勢となります。
プローンレッグカールはシーテッドレッグカールと違い、股関節がほぼ伸展した状態で動作を行います。股関節の位置が固定されていないという特徴があり、それによりフィニッシュポジションで股関節の伸展を動作に加えることが可能で、より強い収縮による負荷をハムストリングスにかけることができます。
プローンレッグカールについても、骨盤の前傾を維持することがポイントとなり、フィニッシュポジションからスタートポジションに戻る際に骨盤が後傾しないように注意しましょう。
トレーニングマシンの種類14「カーフレイズ」
カーフレイズは下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)を主動筋とするトレーニングマシンです。 カーフレイズは、座位で動作を行うシーテッドカーフ、立位で動作を行うスタンディングカーフが主なバリエーションです。
シーテッドカーフは下腿三頭筋の中でもヒラメ筋に負荷がかかりやすく、スタンディングカーフは腓腹筋に負荷がかかりやすいという特徴があります。
またスタンディングカーフには股関節を屈曲させた状態で腰の上に負荷を乗せて動作を行うドンキーカーフが派生として存在し、スタンディングカーフに比べて構造上、腰部に負担がかかりにくいというメリットがあります。
いずれのバリエーションにおいても、母指球を支点に動作を行い、広い可動域をとることがポイントとなります。立位で行うバリエーションについては膝の屈曲伸展の動作がカーフの動きを代償しないように注意しましょう。
トレーニングマシンの種類15「アダクターアブダクター」
本来、アダクターとアブダクターは別々のトレーニングマシンになりますが、これら二つの機能を一体化したトレーニングマシンが世界的に主流なため、同じ項目で解説させていただきます。
アダクターアブダクター(別名インナーアウターサイ)は股関節の内転、外転の動作を鍛えるトレーニングマシンであり、内転については内転筋群、外転については大殿筋などを主動筋とします。
アダクターアブダクターは、一台で臀部と内ももの筋肉を鍛えることが可能な特性から、美しい下半身のラインを作るのに最適とされており、女性からとても人気のあるトレーニングマシンとなります。
どちらの動きについても重要になってくるのが座るポジションで、軌道の軸となる位置に座るようにしましょう。また骨盤をやや前傾させることで、股関節の可動域を広くとりやすくなります。
重量については軽めに設定し、主動筋に収縮感を感じつつ動作を行うようにしましょう。
トレーニングマシンの種類16「ヒップスラスト」
ヒップスラスト(別名グルートブリッジ)は大殿筋とハムストリングスを主動筋とするトレーニングマシンです。
こちらは女性にとって人気の高いフリーウェイト種目であるヒップスラストをトレーニングマシンとしたものであり、フリーウェイトに比べて圧倒的に扱いやすいことから、女性をメインターゲットとしたフィットネス施設には多く採用されるトレーニングマシンです。
ヒップスラストは股関節の屈曲伸展を繰り返すシンプルな動作であり、フィニッシュポジションでは股関節をしっかり伸展させ、主動筋の収縮感を得るようにしてください。 またフィニッシュポジションからスタートポジションに戻る際に、下背部が伸展しないように注意しましょう。
トレーニングマシンの種類一覧と使い方(全身)
最後に全身を対象としたトレーニングマシンの種類一覧と使い方について解説します。
トレーニングマシンの種類17「アジャスタブルプーリー」
アジャスタブルプーリーは、ケーブルを介してウェイトに繋がったアタッチメントを動作させることでトレーニングを行うトレーニングマシンです。
フリーウェイトが重力による真下への負荷になるのに対して、ケーブルマシンは上や横方向に負荷をかけることができるため、フリーウェイトでは姿勢的に困難もしくは行うことができないトレーニングを行うことが可能です。
ケーブルタイプのラットプルやロウイングはケーブルマシンのバリエーションとも言えます。 ケーブルマシンはアタッチメントや軌道、姿勢などを自身で調整することで、無数のトレーニングを行うことが可能であり、高い汎用性があります。
例えばアームカール、プレスダウン、プルオーバー、フライ、サイドレイズ、アブダクションなどが代表的なケーブルマシンのトレーニングとなり、1台のケーブルマシンと各種アタッチメントで全身のトレーニングを行うことができます。
ケーブルマシンが二つ連結した構造で、ケーブルマシン同士の距離が遠いものをケーブルクロスオーバーマシンと呼びます。その名の通り、胸のトレーニングであるケーブルクロスオーバーを行うのに適したトレーニングマシンであり、外から内に向かって動作を行うことで胸に強い収縮を感じることが可能です。
二つのケーブルマシン同士の距離の近いものでケーブルクロスオーバーを行うと、構造的にチェストプレスの軌道となってしまうため、注意が必要です。
トレーニングマシンの種類18「スミスマシン」
スミスマシンは、軌道が決められたレールに沿ってバーを上下させるトレーニングマシンです。
基本的な使用方法はバーベルと同じの為、汎用性が高く、1台で様々なトレーニングを行うことができます。また軌道が決まっているため、通常のバーベルで起こりうる前後のブレがなく扱いやすいことや、バーを捻ることでセーフティが作動する構造であるため安全性が高いことが特徴になります。
また最近のスミスマシンには通常、カウンターウェイト(つり合いをとるための重り)を内蔵しています。カウンターウェイトがあることにより、バーベルを降ろす際にかかる負荷がコントロールされるため、初心者や女性がトレーニングを行う上でも重宝されるマシンとなります。
スミスマシンのバリエーションとしてはレールが垂直なものと、少し傾斜が付いたものがあります。傾斜が付いたものについてはトレーニング種目によってはフリーウェイトに近い軌道を作ることが可能なことがメリットです。
例えばショルダープレスを行う場合は、自身の顔の前から頭上に向けてバーが動く位置で動作を行えば、フリーウェイトに近い自然な軌道となります。ただし垂直の軌道の方が動作を行いやすいトレーニングもあるため、この二つのスミスマシンのバリエーションについては一長一短となります。
またPanattaでは以下のような上半身をターゲットとした特殊なスミスマシンも提供しています。
パワースミスマシンではベンチプレスおよびデクラインベンチプレス、アッパーではインクラインプレスおよびショルダープレスを行うことができます。通常のスミスマシンと異なりバーベルではなくハンドルタイプですので、片腕のみの動作も可能です。
今回は基本的なトレーニングマシンの種類一覧と使い方について解説させていただきました。
トレーニングマシンは一見同じ構造でも、メーカーが変われば使用感、扱いやすさなどが変わるため、機材の選定にお困りの際はウチノジムまでお気軽にご相談ください。
また実際にマシンの使い方を教わりという方は下記のようなパーソナルジムがお勧めです。