アジャスタブルベンチの使い方15選|自宅でできるおすすめのトレーニング種目
アジャスタブルベンチは角度を調整できるトレーニング用のベンチです。アジャスタブルベンチについて、以下の疑問を持つ方もいるでしょう。
- アジャスタブルベンチの使い方は?
- アジャスタブルベンチと普通のトレーニングベンチは何が違う?
- アジャスタブルベンチの選び方は?
本記事ではアジャスタブルの使い方やトレーニングメニュー、選び方、注意点などを解説します。
アジャスタブルベンチの使い方を理解して、快適にトレーニングしましょう。
アジャスタブルベンチ(インクラインベンチ)とは?
アジャスタブルベンチは角度をアジャスト(調整)できるトレーニングベンチです。他にも「インクラインベンチ」「マルチポジションベンチ」などと呼ばれています。角度調節機能がないフラットベンチと異なり、リクライニングベンチのように傾斜させることでトレーニングの種類や負荷の幅を広げられるのが特徴です。
アジャスタブルベンチの折りたたんで立つ部分は背もたれになるので、座って使用するときは、角度調節ができる椅子として使えます。また、うつ伏せ、仰向けなど、さまざまな姿勢でのトレーニングに対応しているので、全身をくまなく鍛えられるでしょう。
アジャスタブルベンチのメリット
アジャスタブルベンチ最大のメリットは、ホームジムの活用方法が一気に広がることです。ダンベルなどの器具を組み合わせたトレーニングのメニューが増えるほか、ベンチ自体に高さがあることで負荷の高いトレーニングが可能になります。
たとえば、腕立て伏せの派生形であるインクラインプッシュアップは、安定した足場が部屋の中にあるだけで、角度をつけて負荷の高いプッシュアップになります。インクラインダンベルカールなど、体の下までダンベルを持っていく動作には、トレーニングベンチが必要です。
また、アジャスタブルベンチは使い方が豊富なため、トレーニーの練度を選びません。初心者は軽い器具や自重で飽きにくいカジュアルなトレーニングに使えます。上級者になれば、より高い負荷を求めて角度や他の器具を調整するといった使い方ができます。
ウチノジムは初心者から上級者まで、幅広いユーザーの体格や予算に合わせて、アジャスタブルベンチをラインナップしています。
アジャスタブルベンチの動かし方
アジャスタブルベンチの角度調整機構は、一般的に上の画像の青丸のようなラダータイプか、赤丸のようなロックピンタイプに分かれます。複数のピンで複数地点の角度を調整できるモデルも多く、体をV字にしたり、レッグパッドの位置を変更したりできる製品もあります。
中には平らに折りたたんで収納できるモデルもあるので、運用する場面を想定してアジャスタブルベンチの調整域を検討しましょう。
トレーニングに役立つアジャスタブルベンチの使い方14選
アジャスタブルベンチを使った、代表的なトレーニングを14種目紹介します。他の器具を使わない効果的な自重トレーニングもあるので、初心者もぜひご覧ください。
胸を鍛えるトレーニング
最初は胸筋に効くトレーニングを紹介します。ベンチに仰向けになって行うことで、立ち状態とは異なる筋肉を鍛えられるメニューです。
使い方その1:ダンベルフライ
ダンベルフライは、胸の筋肉を鍛えると同時に広げる効果があるメニューです。両手にダンベルを持ちます。軽く肘を曲げたまま腕を広げていき、胸の筋肉がストレッチするのを感じてください。ダンベルをゆっくりと上げながら元の位置に戻します。
ポイントは胸の中央でダンベルが触れ合わないようにすることです。注意点は腕を広げすぎないこと。肘が床と同じ高さより下にいかないようにしてください。
使い方その2:ダンベルプレス
ダンベルプレスは胸筋を鍛える基本的なメニューです。特に大胸筋の強化に効果があります。肩幅より少し広めにダンベルを持ちます。息を吸いながらゆっくりとダンベルを胸まで下ろし、息を吐きながらダンベルを天井に向かって押し上げます。
肩に負担がかからないよう、肘はやや体に引き寄せる形で肩甲骨を浮かせましょう。
また、ダンベルを持ち上げるときには、胸の筋肉に意識を集中させることが大切です。手首や肩に負荷がかかっている場合、無理な重さを設定している可能性があります。肩を痛めるリスクが増すので、重量は少しずつ増やしましょう。
背中を鍛えるトレーニング
アジャスタブルベンチを使うと、背筋も効果的に鍛えられます。体より下の空間をトレーニング空間として使えることは、アジャスタブルベンチの特長です。
使い方その3:ワンハンドローイング
ワンハンドローイングは広背筋と僧帽筋下部の強化に効果的なメニューです。片手にダンベルを持ち、ベンチに片膝と同側の手をついて体を安定させます。反対側の足は床につけ、背筋をまっすぐに保ちます。
ダンベルを持った腕を伸ばし、肩甲骨を寄せるようにダンベルを体に引き寄せます。
ダンベルを引き上げる動作に集中し、背中の筋肉を使っていることを意識しましょう。注意点は腰に負担がかからないように、動作中は腰を曲げずに背筋をまっすぐに保つことです。
肩を鍛えるトレーニング
プッシュアップ(腕立て伏せ)も肩のトレーニングに効果的ですが、本記事ではダンベルとアジャスタブルベンチを組み合わせたメニューを紹介します。
使い方その4:ダンベルショルダープレス
ダンベルショルダープレスは、三角筋を鍛えるメニューです。背筋を伸ばして座り、各手にダンベルを持ちます。ダンベルは耳の横、肘が90度になるように持ちましょう。
息を吐きながらダンベルを頭上に押し上げ、腕がまっすぐになるまで伸ばします。腕が伸びたら、息を吸いながらゆっくりと初期位置に戻します。
ポイントは、肩に力が集中するように意識すること。注意点は重すぎるダンベルを使わず、ダンベルと背筋をまっすぐ保ちながら行うことです。ダンベルが前後左右にブレると、肩や肘を傷めるリスクが増します。
使い方その5:シーテッドサイドレイズ
シーテッドサイドレイズも三角筋のトレーニングに有効なメニューです。ベンチに座り、背筋を伸ばして両手にダンベルを持ちます。腕は軽く曲げたまま、ダンベルを体の横から肩の高さまで上げます。
肩の筋肉だけを使って持ち上げることを意識し、動作はゆっくりと行います。上げた位置で少し停止してから、ゆっくりと初期位置に戻しましょう。
ポイントはゆっくりとした動作と、肘が伸びきらないように少し曲げることです。肘が伸びると、関節を傷めやすくなります。
腕を鍛えるトレーニング
ベンチを使って効率的に腕の筋肉を鍛えましょう。ベンチが他の部位にかかる負荷を軽減することで、集中的に腕を鍛えられます。
使い方その6:インクラインダンベルカール
インクラインダンベルカールは、上腕二頭筋を集中的に鍛えるメニューです。インクライン(背中側が立っている)状態のベンチに背中をつけて座ります。角度は約45度が理想です。
両手にダンベルを持ち、腕を下ろして完全に伸ばします。息を吸いながらダンベルをゆっくりと肩に向かって持ち上げて近づけましょう。
ポイントは、上腕を動かさずに肘だけを使ってダンベルを曲げることです。肘の角度を固定し、手首に頼らない動作でダンベルを持ち上げましょう。
使い方その7:オーバーヘッドダンベルエクステンション
オーバーヘッドダンベルエクステンションは、特に上腕三頭筋を鍛えるメニューです。ベンチに座って一つのダンベルを両手で持ち、頭の上で高く持ち上げます。肘を固定し、ダンベルを背後にゆっくりと下ろしていきます。
もう下がらないところまで下ろしたら1〜2秒止め、ダンベルを元の位置に戻します。ポイントは、肘が外に開かないようにし、最初の地点を保ちましょう。背筋はまっすぐに伸ばし、肩に負荷がかからないよう注意してください。
使い方その8:ベンチディップ
続いて肘を曲げた状態で体をゆっくり下ろし、肘が床と平行になるまで下げます。最後に肘を伸ばしながら体を持ち上げて元の位置に戻りましょう。
ポイントは、肘を体の近くに保ちながら動かすことと、体をベンチから離さないことです。注意点として、肩や肘に負担をかけすぎないように、ゆっくりとした動作を心がけましょう。
脚を鍛えるトレーニング
アジャスタブルベンチを使って脚トレをするのも良いでしょう。三次元的な動きができるので、ダイナミックなトレーニングが可能になります。
使い方その9:ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、片足ずつ太ももやお尻の筋肉を効果的に鍛えるメニューです。片方の足をベンチや椅子に置き、もう片方の足を前に踏み出します。
前の足を使って体をゆっくりと下ろし、膝が床と平行になるまで下げます。重心は前の足のかかとに置き、背筋をまっすぐ保ちましょう。上がるときも同じ足で力を入れ、初期位置に戻ります。
ポイントは前の膝がつま先を越えないようにすること。注意点はゆっくりと動作を行い、バランスを崩して転倒しないように注意することです。バランスを保つのが難しい場合は、手を机などに添えてもOKです。
使い方その10:ライイングレッグカール
インクライン(背中側が立っている)ベンチを使用したライイングレッグカールは、特にハムストリング(太ももの裏側の筋肉)を鍛えるのに適したメニューです。
ベンチへうつ伏せになり、可能であれば足でダンベルを挟みます。足をゆっくりと曲げて、できるだけお尻に近づけます。ポイントは、動作の頂点でハムストリングに張りを感じること。上半身を固定し、腰やお尻が持ち上がらないようにします。
より安全かつ効果的にトレーニングを行いたい場合は、レッグカールマシンを導入しても良いでしょう。レッグパッドとウェイトを組み合わせたトレーニングが可能になります。
使い方その11:ステップアップ
ステップアップは下半身全体の筋力向上に効果的なメニューです。バランス感覚の強化にも効果があります。
片方の足をベンチの上に置きます。上に置いた足の力を使って体を持ち上げ、もう片方の足も台の上に軽くタッチさせてから、元の地面に足を戻します。
この動作を交互に繰り返します。ポイントは、上に上がるときに膝がつま先より前に出ないようにし、背筋をまっすぐ保つことです。ダンベルを持って行う「ダンベルステップアップ」というバリエーションもあります。
お尻を鍛えるトレーニング
臀部の筋肉で体を持ち上げるトレーニングを紹介します。アジャスタブルベンチを使い、引き締まったお尻で美しいスタイルを目指しましょう。
使い方その12:ヒップスラスト
ヒップスラストはお尻の筋肉を強化するメニューです。ウェイトを使うのが筋力的に難しい場合は、自重で始めることもできます。
ベンチの端に背中をあてて床に座り、膝を曲げて足を床につけます。バーベルやダンベルを腰にのせ、足の力を使って腰を持ち上げます。腰がベンチ、膝、肩と一直線になるまで持ち上げた後、ゆっくりと初期位置に戻します。
ポイントは腰を高く持ち上げる際にお尻の筋肉を使うこと。腰の力で思い器具を持ち上げようとすると、腰を傷めるリスクが増します。
使い方その13:グルートブリッジ
グルートブリッジもお尻の筋肉を鍛えるのに効果的なメニューです。インクライン(背中側が立っている)ベンチを使って足を高く設置することで、床で行うグルートブリッジよりも負荷をかけられます。
背中をベンチに乗せ、足は床にしっかりと面で置きます。腰とお尻を使って体を持ち上げ、太ももと体が一直線になるまで腰を押し上げましょう。注意点は腰を過度にそらさないようにすること。また、動作をゆっくりと行うことでトレーニング効果が高まります。
腹筋を鍛えるトレーニング
腹筋を鍛えるトレーニングも、アジャスタブルベンチを使うと高い負荷と効率を実現できます。腹筋を鍛え、気になるお腹周りを引き締めましょう。
使い方その14:レッグレイズ
インクラインベンチでのレッグレイズは、特に下腹部の筋肉を強化するエクササイズです。
ベンチに仰向けになり、手でベンチの端を握ります。膝を軽く曲げた状態で足を持ち上げ、天井に向かって直角になるまで脚を上げましょう。
腹筋に張りを感じたら良い姿勢がとれている合図です。足はゆっくりと下ろし、床に触れさせずに再び持ち上げます。
ポイントは、腰が浮かないよう、ベンチに押し付けること。腰が浮く、つまり腰がそった状態になっていると、効率が落ちるだけでなく、腰を痛めやすくなります。動作を急がず、腹筋の緊張を意識することが大切です。
使い方その15:シットアップ
アジャスタブルベンチを使ったシットアップは、腹筋を効率良く鍛えるメニューです。インクラインベンチに背中を下にして仰向けになり、足はベンチの下端に固定します。手は頭の後ろに置くか、胸の前でクロスさせましょう。
息を吐きながら上半身をゆっくりと起こし、腹筋に力を入れます。最高点で少し停止し、息を吸いながら初期位置に戻ります。
ポイントは呼吸を続け、反動を使わずに繰り返すことです。背中を丸めてゆっくりと動作することで、トレーニングの効率が高まります。
アジャスタブルベンチの選び方
アジャスタブルベンチにはさまざまな種類があるため、購入するモデルを悩む方も多いでしょう。本記事では、選ぶ際に注目すべきポイントを紹介します。メニューや環境に合わせて選択してください。
選び方その1:調整できる角度
最初に注目すべきポイントは、アジャスタブルベンチが対応している角度です。一般的に対応している角度の段数と価格は比例します。多くの角度に対応しているほうが、自分にフィットする体勢を作りやすいですが、無理な出費はしないようにしましょう。
また、インクライン(背中側が立っている)だけで良いのか、デクライン(背中側が下がっている)もできたほうが良いのかも検討しましょう。デクラインが可能になると、トレーニングメニューの幅がさらに広がります。
なお、頻繁に角度を変える運用をしようとしている方は、事前に角度の変え方が簡単なモデルをウチノジムなどで確認するとトレーニングが快適になります。
選び方その2:耐荷重
アジャスタブルベンチを選ぶ際には耐荷重を確認しましょう。おすすめは200kg以上のモデル。ベンチにかかる荷重は体重、器具の重量、動きによってかかる負荷の合計です。100kgの方が数十kgの器具を取り扱っても余裕がある耐荷重が200kgという計算になります。
100kg以上のベンチプレスをする予定がある、そもそも体重が100kg以上あるという方は、さらに耐荷重の大きいベンチを選んだほうが安全にトレーニングに臨めるでしょう。
選び方その3:シート幅
シート幅は体格とメニューに合わせて選ぶ必要があります。たとえば仰向けになってトレーニングするとき、ベンチの幅が広いほうが背中を預けられる面積が大きくなるので安心ですよね。しかし、肩幅よりも広いベンチを選んでしまうと、肩を肩甲骨のほうに持ってくる動きの邪魔になります。
特に背中に当たるバックパッド部分の幅は、鍛えられるメニューに直結するので注目しましょう。一般的な幅は30cmと言われています。どっしりと安定感があるモデルが良ければ35cm以上を選び、肩や肘を柔軟に動かしたければ25-30cmなど、細めのモデルを選ぶと良いでしょう。
選び方その4:直立収納の可否
ホームジムにアジャスタブルベンチを導入しようとしている方は、部屋の空間を有効活用できる直立収納できるベンチも検討してみましょう。ベンチは使うときだけ取り出す運用ができれば、他の器具に空間を圧迫されにくくなります。
初心者におすすめのトレーニングベンチ
初心者におすすめのアジャスタブルベンチを2種類紹介します。
AB-3100 FIはエントリー向けのアジャスタブルベンチで、34,500円(税込)とお手頃価格です。フラットから90度まで、6段階でバックパッドの角度を調節できます。耐荷重も320kgあるので、体重が重い方でも安心です。
AB-3000 2.0 FIDはAB-3100 FIの上位モデルで、価格は54,500円(税込)。名前にD(Decline)が入っている通り、デクラインベンチとして運用できます。調整できる角度も-12度から85度までの8段階に増え、レッグローラーが装備されています。
まずアジャスタブルベンチを試したい方はAB-3100 FI、豊富なメニューに挑戦したい方はAB-3000 2.0 FIDが良いでしょう。
≫ウチノジム AB-3000 2.0 FIDアジャスタブルベンチ
アジャスタブルベンチ購入前の注意点
アジャスタブルベンチを購入する前、部屋に搬入する前には、サイズと床を確認しましょう。「部屋に入らない」「部屋を壊した」というトラブルを回避するために必須のチェックポイントを解説します。
サイズ感の確認
アジャスタブルベンチを設置する部屋に十分な空間的ゆとりがあることを確認しましょう。確保すべき空間はベンチを設置する床面積だけでなく、自分がベンチの上でトレーニングをするための余白も必要です。
たとえばダンベルフライをする場合は腕を広げるので、ベンチの左右に1m程度の空間が必要です。ヒップスラストをする場合は、片側に身長分の空間が必要になります。自分がやりたいと思っているメニューを、アジャスタブルベンチを導入した上で実現できるか検討しましょう。
床の保護
アジャスタブルベンチの購入を決めたら、搬入する前に必ず床を保護しましょう。ウチノジムのアジャスタブルベンチには脚部にラバーがついていますが、床が重量で凹む可能性はあります。また、ベンチの動かし方次第では床にひっかき傷をつけてしまうかもしれません。
アジャスタブルベンチを使うトレーニングメニューには、ダンベルを使う種目が多くあります。手が滑ってダンベルを落とす可能性もあるので、床を傷つけないためにも、ゴムマットやコンパネを敷いて床を守りましょう。
アジャスタブルベンチの使い方を理解して効率的なトレーニングを実現しよう!
アジャスタブルベンチは、使い方次第でトレーニングの幅を大きく広げてくれる器具です。フラットタイプのトレーニングベンチと異なり、角度を調整できることでインクライン、デクラインを前提としたメニューが可能になります。
体勢に角度をつけることで、より負荷の高いメニューや、立ち姿勢では鍛えにくい部位もトレーニング可能。高品質で手ごろなアジャスタブルベンチを求めている方は、ぜひウチノジムのベンチをご検討ください。