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オリンピックシャフト選びで失敗しない - 8つの比較ポイントを徹底解説

オリンピックシャフト選びで失敗しない - 8つの比較ポイントを徹底解説

国民的な健康志向の高まりから今後ますますの需要が見込まれるフィットネス産業。昨今はテクノロジーの進化に伴い、AI・スマートデバイスを搭載したトレーニング器具など、より効率性を求めた製品が次々と開発されています。

そんな中、世界中のジムでいまだにトレーニング器具界の王様として君臨しつづけているのがオリンピックシャフトです。

最近はトレーニング器具のメーカーや販売店も増え、オリンピックシャフトの選定に迷われている方も多いのではないかと思います。今回はそのオリンピックシャフト選びで失敗しないための8つの比較ポイントについて徹底解説します。 

オリンピックシャフトとは

スリーブ

オリンピックシャフトとは日本特有のオリンピックバーベルの呼び方です。シャフトとは本来バーベルを握る細い棒の部分を指しており、オリンピックバーベル(Olympic Barbell)が正式名称となります。※本記事では便宜上オリンピックシャフトで統一

オリンピックシャフトは本来ウェイトリフティング競技やパワーリフティング競技で使用されるバーベルを指していますが、一般的な商業ジムに置かれているバーベルも全てオリンピックシャフトと呼ばれています。

実は明確な定義がないこのオリンピックシャフトですが、一般的に以下の仕様のバーベルがオリンピックシャフトと呼ばれています。

  • 重さ:20kg(女性用は15kg)
  • 全長:220cm(女性用は200cm)
  • スリーブ径:50mm
  • スリーブの回転機構:有り

バーベルのプレートを付ける部分をスリーブと呼びますが、オリンピックシャフトはスリーブ径が50mmに設定されていて、かつ回転機構があります。

スリーブ回転機構

一方でスリーブ径が28mmで回転機構が無いバーベルもあり、こちらがスタンダードバーベルと言います。日本ではスタンダードシャフトとも呼ばれています。

スタンダードバーベル

スタンダードシャフトの良い点はオリンピックシャフトよりも低価格なことです。使用感ではオリンピックシャフトに劣りますが、トレーニング初心者であまり高重量を扱わない、それよりもとにかくコストを抑えたいという方はスタンダードバーベルを検討するのも良いかと思います。

注意点としてはスタンダードシャフトには28mm径のプレートしか付けられないことです。プレートにしてもパワーラックにしても、基本的にトレーニング器具というのはオリンピックシャフトを使うことを前提にした製品が多く開発されています。

ですので自宅で本格的なトレーニングをしようと思っている方は、多少コストがかさんでもオリンピックシャフトを選んだ方が良いでしょう。また商業ジムにおいてはオリンピックシャフトがマストとなります。 

オリンピックシャフトの比較ポイント

①重量と全長

バーベルの長さ

前項で紹介した通り、オリンピックシャフトは重さが20kg、あるいは15kg(女性用)で統一されているため、特に選定時に困ることはありません。中にはジュニアバーと呼ばれる初心者向けの10kgバーやテクニックバーと呼ばれる5kgのバーベルなどもありますが、これらはスペシャリティバーに分類されますので本記事では割愛します。

長さについてもオリンピックシャフトと呼ばれるものは220cm、女性用15kgバーは200cmで統一されていますが、中にはRogueのC-70Sのようにオリンピックシャフトのスリーブを短くした製品もあります。

これらも通常スペシャリティバーに分類されますが、用途としてはオリンピックシャフトと変わりません。特にホームジム等の狭いスペースで利用する際に、スリーブが短いことでトレーニングが快適にできるケースもあります。もちろんスリーブが短ければ付けられるプレートの枚数が減りますので、実際の用途を踏まえて検討しましょう。

②シャフト径としなり

シャフト径

続いてはオリンピックシャフトのシャフト部分の直径についてです。20kgバーのオリンピックシャフトは直径29mm、28.5mm、28mmのものが一般的です。

29mmはIPF(国際パワーリフティング連盟)が定めるパワーリフティング競技用バーベルと同じ直径となります。29mmはしなりが小さいため、スクワットやベンチプレスにおいてオリンピックシャフトの端が振れにくく、余計な負荷がかかりません。パワーリフティング競技者はもちろんのこと、BIG3を高重量で行うトレーニーの方は29mmシャフトのバーベルを選ぶことをお勧めします。

28mmはIWF(国際ウェイトリフティング連盟)が定めるウェイトリフティング競技用バーベルと同じ直径となります。ウェイトリフティング用は29mmと比較するとしなりが大きくなります。

しなりが大きいことのメリットは、クリーンやスナッチを行う際にシャフトがしなることでグリップ部分が床から少し離れ、引き上げやすくなる点です。ウェイトリフティング競技者はもちろんのこと、クリーンやスナッチといったウェイトリフティング種目をトレーニングで行う方は28mmシャフトをお勧めします。

しなりが大きいことはデッドリフトにおいても有効に働きますが、パワーリフティングの公式競技では29mmシャフトのバーベルが使用されるため、28mmシャフトに慣れてしまうことはパワーリフティング競技者にとってはデメリットともなります。

28.5mmは上記の中間を取ったシャフトで、パワーリフティング系の種目もウェイトリフティング系の種目も快適に行えるよう設計された多目的バーベルです。民間ジムや学校施設といった場所では利用者によって目的が様々ですので、こういった多目的バーベルがあると非常に便利です。もちろん見方によってはどっちつかずとも取れるので、本格的な競技者向けには競技仕様のバーベルをお勧めします。

15kgのオリンピックシャフトについては25mmのシャフト径のものが一般的であり、しなりが強いことや、女性や手の小さい方は握りやすいという特徴があります。 

③引張強度

引張強度とは材料の強度を示すパラメーターのひとつであり、材料に引張荷重を加えた時に破断が起こる前に耐えられる最大引張応力のことを指します。例えば上の動画のように機械を使ってバーベルに荷重を加えて曲げた時に、弾性限度を超えるとバーベルは元の形状に戻らなくなり、そこからさらに荷重を加えると破壊(亀裂)や破断(分離)します。

この引張強度はポンド/平方インチ(PSI)で表され、大手フリーウェイトメーカーが提供する業務用オリンピックシャフトの多くが引張強度=190K PSIに設定されています。

引張強度については各メーカーやブロガーが様々な見解を出していますが、多くの記事が科学的な知見に基づいておらず、あまり参考にならないというのが正直なところです。

引張強度は対象物の強度を評価するための材料特性値で、確かに数値が高いほど破断には強いと言えますが、まず人間の筋力トレーニングにおいてバーベルが破断する直前の重量を扱うことはありません。

むしろバーベルを利用する上で重要なのは、高重量のプレートをつけてスクワットをしたりドロップをしたりしてもバーベルが変形せずにストレートに戻ることで、これには引張強度ではなく弾性限度が関わっています。

つまりこの引張強度の数値だけを見てバーベルの良し悪しを決めるのはスマートではありません。

現状言えるのは、業務用メーカーが取り扱っている190K PSI以上のバーベルであれば、ホームジム・商用ジム問わず、利用者が人間である限りどれを選んでも安全性に問題はありません。

引張強度が高い=材料としては優れていますが、優れたバーベルかどうかを判断するには自身の用途に合わせて他の指標を比較する必要があります。昨今はこの引張強度の数値をマーケティングツールのように使っているメーカーも散見されるのでご注意ください。

④ローレット(ナーリング)

シャフトにおけるザラザラとしたエッジ加工が施された部分のことで、滑り止めの役割があります。ローレットには大きく分けてマウンテン型、ボルケーノ型、ヒル型の3種類があります。

マウンテン型

マウンテン型は凹凸が激しく滑りにくいのが特徴で、主にパワーリフティング向けのバーベルで採用されます。手のひらを傷つけやすいというデメリットこそありますが、グリップ力は非常に高いので、高重量を扱う方にとってはお勧めです。

ボルケーノ型

ボルケーノ型はその名の通り火山のような形をしたローレットで、先端が窪んでいるのが特徴です。グリップ力もありながらマウンテン型ほど手に刺さることもなく、万人受けするローレットです。一般的な商業ジムなど利用者の幅が広い場合にはこちらのタイプがお勧めです。ウェイトリフティングやクロスフィットにおいてもボルケーノ型のバーベルが多く利用されています。 

ヒル型

ヒル型は画像の通り凹凸が浅くほぼフラットなのが特徴で、グリップ力においては上の二つに劣ります。そのためBIG3などの一般的な筋力トレーニングで使用する場合はこちらのタイプのローレットを選ぶメリットはないでしょう。

一方で皮膚には非常に優しいため、ウェイトリフティングのテクニックトレーニングなど、軽い重量でハイレップのエクササイズをする場合にはお勧めです。

またこのローレットですが、グリップ部分のみならず、シャフトの中央部にローレット加工がされているタイプのオリンピックシャフトがあります。これをセンターローレットと呼びます。

センターローレット

このセンターローレットがあるとスクワットトレーニングやクリーンにおけるキャッチにおいて便利なため、実際の用途に合わせて必要な場合はこちらのタイプを採用しましょう。特に競技者は実際に試合で使われるバーベルと仕様を揃えることをお勧めします。

⑤シャフトのマーク位置

オリンピックシャフトには握り幅の目安となるマークがついています。

81cmライン

パワーリフティング用バーベルについてはIPF(国際パワーリフティング連盟)仕様に準拠した81cmライン、ウェイトリフティング用バーベルについてはIWF(国際ウェイトリフティング連盟)仕様に準拠した91cmラインとなります。

一方で競技者ではない一般ユーザー向けとしては、どちらのトレーニングもできるように、画像の一番下のバーベルような81cmと91cmの2箇所にマークをつけたものが主流となっています。

⑥シャフトの表面処理

オリンピックシャフトは製造に使われる材料と表面処理が多種多様で、それによって防錆性、耐食性、グリップ感などが大きく変わってきます。国内で主に販売されている業務用バーベルは大きく下記の6つに分類されます。

  1. クロムメッキ
  2. クロメート(亜鉛メッキ)
  3. ニッケルメッキ
  4. 黒染め処理(黒染メッキ
  5. セラコート
  6. 表面処理なし

それぞれ簡単にご紹介します。

1. クロムメッキ

ハードクロムメッキバーベル

業務用のバーベルで最も主流なのがクロムメッキのバーベルです。クロムメッキには装飾クロムメッキと硬質クロムメッキ(別名ハードクロムメッキ)の2種類があります。

有名メーカーが作るような業務用オリンピックシャフトにおいてはほとんどが硬質クロムメッキを採用していますが、一部では装飾クロムメッキを使っている商品もあります。

後述するクロメートと比較すると手間がかかるため若干割高となりますが、防錆性や耐食性は高く、適度なグリップ力もあり、バーベルにおける表面処理の王道となります。カラーはシルバーのみとなります。

硬質クロムメッキが採用されている主なバーベル:

REP Fitness コロラドバー

REP Fitness Alpine ウェイトリフティングバー

アメリカンバーベル グリズリーパワーバー

2. クロメート(亜鉛メッキ)

クロメート

クロメートとは対象物をクロメート処理液に漬けて、表面にクロメート皮膜をつける処理方法です。主に亜鉛メッキの仕上げに使われる事が多いため、亜鉛メッキと呼ばれることもありますが、必ずと言っていいほどこのクロメート処理とセットで行われます。

クロメートは種類が豊富で、光沢クロメート(ユニクロ)、黒色クロメート、有色クロメートなどがバーベルの表面処理においても採用されています。安価ながら防錆性も高く、カラーもシルバーだけでなく黒やゴールドがあります。

クロメートが採用されている主なバーベル:

REP Fitness Delta ベーシックバー(光沢クロメート)

Rogue Fitness The Ohio Bar(黒色クロメート)

Bridge BUILT  Clydesdale Power Bar(有色クロメート)

3. ニッケルメッキ

ニッケルメッキ

ニッケルメッキは耐食性に非常に優れたメッキで、導電性も高いため電子部品などでよく利用されます。ゴールドのような少し黄色がかった光沢が美しく、変色もしにくい優れものです。

ニッケルメッキには電気ニッケルメッキ無電解ニッケルメッキがあり、どちらもバーベルの表面処理に用いられます。若干高価ではありますが、所有欲も満たしてくれる良質なメッキです。

ニッケルメッキが採用されている主なバーベル:

ウエサカ 競技用バー

Kabuki Strength The 250K Power Bar

Gungnir The Allrounder 20

4. 黒染め処理(黒染メッキ)

黒染め処理

黒染め処理は、アルカリ性水溶液に対象物を浸して化学反応を起こし、金属の表面に黒色の酸化皮膜(Fe3O4)を生成する処理です。黒染めというと塗料で黒く染めるようなイメージですが、そうではなく、表面を意図的に錆びさせることでそれ以上に錆を進行させないような処理です。

黒染め処理は生成される皮膜が薄いため、耐食性や防錆性はあまり高くありませんが、メッキによる寸法の変化が少なく、また安価に処理できることもメリットです。

黒染め処理が採用されている主なバーベル:

Rogue Fitness The Ohio Bar

Ivanko OBX-20KG

5. セラコート

セラコート

セラコートは先にご紹介したメッキ(金属)とは異なり、 セラミックを主成分とするコーティング材の塗装となります。アメリカンバーベル社が初めてバーベルの表面処理に採用し、今では多くのメーカーがセラコートのバーベルを販売しています。

耐食性、防錆性ともに非常に高く、かつ色鮮やかなカラーが特徴的です。一方でメーカーによっては表面処理が甘く、Jカップやセーフティにこするとすぐ剥がれてしまうという報告もあるので、心配な方は購入前に販売店に確認すると良いでしょう。

セラコートが採用されている主なバーベル:

REP Fitness コロラドバー

American Barbell California Bar

Rogue Fitness The Ohio Bar

6. 表面処理なし

表面処理なし

最後にご紹介するのが表面処理がされていないバーベルです。特に人気なのがステンレススチールのバーベルで、先にご紹介したタイプよりも高価ですが、錆に対して強く、かつ表面処理がない分グリップ力も強いです。メンテナンスも楽なので、大勢の方が利用する商業ジムなどでは重宝します。

またロウスチールやベアスチールという表面処理をしていないスチールのバーベルもあります。錆には非常に弱いですが、ステンレス同様にグリップ力があり、国際パワーリフティング連盟の世界大会で使用されるバーベルも全てがロウスチールのシャフトが採用されています。

表面処理がされていない主なバーベル:

REP Fitness ダブルブラックダイアモンドパワーバー(ステンレス)

Rogue Fitness Ohio Power Bar(ステンレス) 

Eleiko IPF Powerlifting Competition Bar(ロウスチール)

⑦スリーブのスタイルと表面処理

スリーブにも様々な種類があるので、用途に合ったスリーブを選びましょう。スリーブのスタイルですが、まず大きく分けてリブ加工がされているものとリブ加工がされていないもの(スムーズスリーブ)があります。

リブ加工

リブ加工とは、上の画像の通りスリーブに入っているギザギザの加工のことで、これによりプレートがスリーブ上で滑りにくくなります。ウェイトリフティングやクロスフィット向けのバーベルにはこのリブ加工を施している商品が増えてきています。

リブ加工なし

一方でリブ加工がされていないスリーブはプレートの付け替えにストレスがなく、一般のトレーニーの方はこちらのタイプを選ぶと良いでしょう。

余談ですが、アメリカンバーベルやREP Fitnessのハイエンドモデルはスムーズスリーブと称しながら下記の画像のように非常に細かいリブ加工が入っていて、プレートの滑りが良くなり、着脱時に心地よい音が鳴ります。 

細かいリブ加工

またスリーブの表面処理ですが、多くのバーベルが上の画像のような硬質クロムを採用しています。金属との接触に強く、滑りも良いことから、プレートを着脱するスリーブ部分の表面処理に最適です。

最近はスリーブ部分にステンレススチールを採用したスリーブもあり、高価ではありますが、硬質クロム以上に錆に強く、メンテナンスも楽で非常に快適です。

その他にも金色のスリーブや黒色のスリーブなど、デザイン面で差別化を図る製品が市場に出てきていますが、先でご紹介したセラコートと同様に剥がれやすいメッキ・塗装にはご注意ください。特にスリーブ部分はプレートの着脱で摩擦が多いので、デザイン面で特にこだわりがなければ硬質クロムかステンレスのスリーブを選んでおくのが無難でしょう。

⑧スリーブの回転機構

最後にスリーブの回転機構についてご紹介します。

冒頭でお伝えした通り、オリンピックシャフトのスリーブにはベアリングという回転機構が内蔵されています。ベアリングは対象物の摩擦を減らして回転を助ける部品で、自動車や航空機、家電製品などありとあらゆる機械製品に使用されています。

ニードルベアリング

バーベルにおいてはベアリングがシャフト部分を「軸」として守り、スリーブとの摩擦を軽減し、回転を滑らかにする役割を担っています。

ウェイトリフティングのような速くダイナミックな動きが必要な競技においては、スリーブの回転がより滑らかなバーベルが求められます。

特に競技者は高重量のプレートをつけた状態で、スナッチ、クリーン、ジャークといった動作を行いますが、スリーブの回転が悪い(摩擦が強い)と軸となるシャフト部分が手の中で回転してしまい、ローレットとの摩擦で手を傷めることになりかねません。

そのためウェイトリフティング用のバーベルにおいては上の画像のようなニードルベアリングを採用した回転の滑らかなスリーブが理想的です。

一方でパワーリフティングのような競技は、動きが直線的かつ速度もゆっくりなため、回転が滑らかなスリーブは不要です。特に高重量においてはプレートの余計な回転が動作に不安定さをもたらすので、むしろ回転に対して適度な抵抗があるスリーブが好まれます。

そこで登場するのがブッシングと呼ばれる部品です。ブッシングはベアリングの一種で、下の画像の通りよりシンプルな設計となっています。

ブッシング

ブッシングはベアリングよりも低コストで調達することができることもあり、競技用ウェイトリフティングバーを除いたほとんどのバーベルで採用されています(パワーリフティング競技用に限らない)。

ブッシングは様々な素材で作られ、オリンピックシャフトにおいてはブロンズブッシング、コンポジットブッシング、ブラスブッシングなどが主に採用されています。

メーカーは用途に合わせてバーベルを設計しているため、利用者側が細かいブッシングの素材まで選定の基準に入れる必要はないかと思いますが、ベアリングとブッシングの存在を知っているだけで、誤って用途に合わないオリンピックシャフトを買ってしまうことも防げるかと思います。

参考までにスリーブの回転の違いを動画にしました。一番左がコンポジットブッシングを使った多目的バーベル、一番右がブロンズブッシングを使ったパワーリフティング用バーベル、真ん中がニードルベアリングを使ったウェイトリフティング用バーベルです。

おすすめのオリンピックシャフト

上記の比較ポイントを踏まえて、おすすめのオリンピックシャフトをご紹介します。弊社ではREP Fitnessという米国のフリーウェイト器具メーカーを取り扱っており、バーベルについては現状ミッドレンジの価格帯で最もコスパの高い製品だと自負しております。

用途や予算感など様々かと思いますが、ぜひオリンピックシャフトの選定にお役立てください。

一般トレーニー、アスリート、ボディメイクコンテスト競技者

まず一般トレーニー、アスリート、ボディメイクコンテスト競技者がホームジムやガレージジムなどのご自宅にて利用するケースです。

とにかくコストを抑えたいという方にはDelta ベーシックバーをお勧めします。

Delta ベーシックバー

こちらは重さ20kg、29mmシャフトとパワーリフティング仕様でありながら、IPFとIWFのデュアルマークがあり、なにより価格が税込、送料込みで29900円というのが最大の魅力です。

引張強度は135K PSIですが耐荷重も320kgに設定されていますので、重量調節においてもほとんどの方は困らないかと思います。

表面処理が光沢クロメートになっていますので、硬質クロムやステンレスのような防錆性はありませんが、個人のみの利用であれば定期的にメンテナンスを実施することで長期利用も可能です。

ある程度予算があり、より品質の高いバーベルをご希望の方はブラックダイアモンドパワーバー、ダブルブラックダイアモンドパワーバー、コロラドバーのいずれかをお勧めします。

ブラックダイアモンドパワーバー

ダブルブラックダイアモンドパワーバー

コロラドバー 20kg

ブラックダイアモンドパワーバーとダブルブラックダイアモンドパワーバーはいずれも29mmシャフトのパワーリフティング仕様バーベルで、BIG3を中心としたエクササイズを行う場合は、この2本からお選びいただくのがよいかと思います。

2本の違いはシャフトのローレットの形状で、ブラックダイアモンドパワーバーはボルケーノ型、ダブルブラックダイアモンドパワーバーはマウンテン型です。特にグリップ力を求める場合はダブルブラックダイアモンドパワーバーがお勧めですが、手に刺さるようなローレットが苦手な場合はブラックダイアモンドパワーバーがお勧めです。

一方でスポーツ競技者やクロスフィッターの方でクリーンなどのウェイトリフティング種目も実施される方にはコロラドバーがお勧めです。コロラドバーは28.5mmシャフトの多目的バーで、クロスフィット、パワーリフティング、ウェイトリフティングなどあらゆる環境で使える万能なバーベルです。

コロラドバーは女性用の15kgバーもあるので、女性の方はこちらもご検討ください。

コロラドバー 15kg

パワーリフティング競技者

パワーリフティング競技者については、予算が許す限りはEleikoやUesakaの競技用バーベルをお勧めします。実際の競技で使用するバーベルに勝るものはありません。

ただ1本15万円程度のバーベルは予算的に厳しい方もいるかと思いますので、そういう方にはREP Fitnessのブラックダイアモンドパワーバーとダブルブラックダイアモンドパワーバーがお勧めです。

ブラックダイアモンドパワーバー

ダブルブラックダイアモンドパワーバー

これらはステンレスでも6万円台からありますので、自宅でのトレーニングではREPのバーベルを使用し、本格的な競技練習はEleikoやUesakaのバーベルがあるジムで行うという運用もアリかと思います。

ウェイトリフティング競技者

ウェイトリフティング競技者については、バーベル以前にドロップが可能な住居、物件を見つけることの方が大きな課題となるかと思いますが、こちらもパワーリフティング競技者と同様に、予算が許す限りは競技用バーベルをお勧めします。

一方でトレーニング用のバーベルとしてはコロラドバーとAlpine ウェイトリフティングバーがおすすめです。

Alpine ウェイトリフティングバーは28mmシャフト、91cmライン、ベアリングとウェイトリフティング競技仕様となっていて、女性用の15kgバーもあります。コロラドバーよりもAlpineの方がしなりが強いので、本格的なウェイトリフティングトレーニングにはこちらがお勧めです。

Alpine ウェイトリフティングバー 20kg

Alpine ウェイトリフティングバー 15kg

商業ジム、学校施設、スポーツチーム、ホテルの責任者様 

商業ジム、学校施設、スポーツチーム、ホテルの責任者様は上記を踏まえて、ジムのコンセプト、利用者様の傾向に合わせてお選びいただくのが良いかと思います。

例えば大型ジムで様々なタイプの利用者がいる場合は、多目的のコロラドバーをメインにおきながら、パワーリフター向けにブラックダイアモンドパワーバー等を最低限持っておくと良いでしょう。学校施設やホテルも同じイメージで良いかと思います。

スポーツチームにおいてはウェイトリフティング系の種目が多くなるケースもありますので、その場合はコロラドバーをメインに、Alpineウェイトリフティングバーを最低限持っておくと良いかと思います。

パワーリフティング専門ジム、ウェイトリフティング専門ジムについては言うまでもなく競技用バーベルをメインに置き、初心者用にコロラドバー、ブラックダイアモンドパワーバー、Alpineウェイトリフティングバーを持っておくとジムの質を保ちながらコスト削減が図れるかと思います。

終わりに

オリンピックシャフト選びで失敗しない8つの比較ポイントを解説させていただきました。

記事で説明されていない部分で何かご不明な点があれば、チャットやお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。予算も含めて最適なバーベルをご提案いたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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